──このグランプリに特別な思い入れを持っていてくださったんですね! 『冒険する組織のつくりかた』は安斎さんの2冊目の単著ですが、とても力を入れて書かれたことが伝わってくる一冊でした。出版後に印象的な反響はありましたか?

本当にたくさんの反響をいただいています。組織づくりの本なので、経営者やマネジャー向けに書いた本なのですが、現場で働く若い世代の方が「こういう組織にしたいな」「職場がこうなるといいな」と希望を持って読んでくださっているのが印象的です。社内で内容に共感する人たちを集めてこの本の読書会を開催してくださっている方もいらっしゃって。それがめちゃくちゃうれしい反響でした。読書会をした方がいいと本書に書いていましたが、それを実践してくださっているんです。

──ボトムアップで組織を変えるのには、勉強会からはじめて、経営層の目に留まるようになるのがいいという話がありましたが、勉強会の題材としてこの本自体が使われているんですね。

そうなんですよ。この本にも登場するある企業では、繰り返し勉強会を行っているのですが、今年の勉強会に行ったら、社内で「冒険」という言葉が共通言語になりつつあると聞きました。この間はとうとう役員の方が勉強会に来てくれて。まさに本書で書いた通りの流れが起こっています。

──それはメンバー層にとって励まされる事例ですね。

この本では冒険する組織をつくる「5つの基本原則」を紹介していますが、最初に目標の話をしています。組織の空気を最も支配するのは「何が目標になっていて、その目標をどう捉えているか」というところだからです。降ってくる目標は変えられなくても、その解釈や意味づけを変えればいいんだというところは、現場の方に共感していただけて、目標の取り組み方を考えたり、他の人と話し合ったりするのに使っていただけているようです。

自分の「レンズ」を言語化すると、可能性が広がる
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