<インドネシア・スラウェシで発生した地震・津波の犠牲者は時間が経つにつれて増えている一方で、津波警報について気象当局のずさんな体制が問題になっている>
インドネシア・スラウェシ島の中スラウェシ州で9月28日午後6時2分ごろに発生したマグニチュード7.4の大規模地震と津波による被害は州都パルとドンガラ県ドンガラ市を中心に広がっており、停電、道路などの崩壊による孤立状態が続いているため救援活動は困難を極めている。
ジョコ・ウィドド大統領は滞在先のジャワ島中部ソロから9月30日昼前、空軍機などで被災地パルに入り、被災地を視察し、被災者に救援物資を直接手渡した。
国家災害対策庁(BNPB)によるとこれまでの捜索活動の結果、9月30日午後の時点で死者は832人、重傷者は540人となった。ただし死者の821人はパル市内、11人がドンガラ市内での津波の被害者としているが、ドンガラ市周辺など海沿いの町村被害の状況は通信が途絶しているため完全な報告が届いていないという。このため今後被害はさらに拡大する可能性が高い。
インドネシア地元紙の報道によると国連総会出席のため米ニューヨーク訪問中のユスフ・カラ副大統領は「犠牲者は1000人を超える可能性がある」と述べたという。
パル市内では南スラウェシ州のマカッサルや北スラウェシ州のマナドなどから駆けつけた救援部隊に加え、滑走路が損傷したパル空港に着陸したヘリコプターや空軍機で到着した国軍部隊などが本格的な救援、捜索活動を開始した。市内各所や海岸沿いに残されていた犠牲者の遺体を身元確認のために最寄りの病院に搬送する作業や崩壊した建物での捜索が続いた。
パル市内では数十人が閉じ込められているとされる「ホテル・ルアルア」で国家捜索救助庁(BASARNAS)」の隊員による必死の捜索が続いている。8階建ての同ホテルは地震でほぼ倒壊し、数十人が閉じ込められているとされうち何人かは携帯電話の電波が確認できることから生存の可能性もあるとして作業を急いでいるが、これまでに収容されたのは遺体ばかりという。