<政治的関心の「階層格差」を是正するために、学校での主権者教育・公民教育の充実を>

アメリカではトランプ新政権が発足し、前政権とはかなり違った政治を行おうとしている。その是非はともかく、政策というのはどういう人が為政者になるかによって大きく変えられる。それだけに、為政者を選ぶ選挙がきわめて重要になる。

選挙での投票率は、若年層より高齢層で高い。候補者は後者が喜びそうな公約を掲げ、前者が望む雇用対策や教育振興などは二の次にされがちだ。また、規制緩和や所得税・法人税の軽減を望む人がいる一方で、富の再分配の強化を願う人もいるが、富裕層では前者、貧困層では後者の比重が高い。

今の日本は前者の流れで動いているように見えるが、選挙での投票率には「階層格差」があるのかもしれない。2020年に国立青少年教育振興機構が実施した調査から、その実態を明らかにできる。対象の高校生を、家庭の経済状況(自己申告)に依拠して3つのグループに分け、「親は選挙に行っているか」という問いへの回答を帯グラフにすると、<図1>のようになる。

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きれいな左下りの傾向が見られる。親が選挙にいつも行くという生徒の割合は、裕福な層では60.2%、普通の層では52.2%、経済的に厳しい層では41.6%となっている。これは高校生の親年代のデータだが、全国民で見ても、こうした投票行動(率)の階層格差があることは想像に難くない。

富裕層ほど、各種の情報に触れる機会が多い、政治的関心が高い、政策実務に携わっている人が多い、さらには政治家(団体)とのコネクションがある人が多いなど、理由はいろいろ考えられる。過去最高の税収の内訳を見ると、逆累進の消費税の比重が高まり、所得税や法人税は減っているのだが、国民の中の偏った層の意向が反映されているようにも思える。

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子ども世代に引き継がれる階層格差