<米トランプ政権の発足直前にまとまった停戦合意の危うい見通し。第1段階は、現在の戦闘を停止させるもので、ガザ戦争そのものを終結させるわけではない>

イスラエルの75年余りの歴史で最も長く続き、最も多くの命を奪ってきたガザ戦争が、ようやく一段落つきそうだ。勃発から約1年3カ月がたった1月15日、停戦と人質解放の合意がまとまったことを、仲介国カタールが発表したのだ。

とはいえ、当事者であるイスラエルとパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム主義組織ハマス、そして仲介者であるエジプト、カタール、アメリカが署名するのは、段階的に実施される停戦合意の第1段階にすぎない。

第2段階や第3段階については、交渉が始まってすらいない。

19日に発効する第1段階は、現在の戦闘を停止させるもので、ガザ戦争そのものを終結させるわけではないし、ましてやイスラエルとパレスチナの恒久的な平和に向けた道のりを示すものでもない。

それでも、ジョー・バイデン米大統領の外交チームはこの合意を、バイデン政権の有終の美を飾るレガシーだとして自画自賛している。しかしそのレガシーは、ホワイトハウスに復帰するドナルド・トランプ新大統領と共有せざるを得ないだろう。

トランプの側近に言わせれば、トランプは2つの点で停戦合意に貢献した。

まず、自分の大統領就任(1月20日)までに人質が解放されなければ「地獄を見るぞ」と、ハマス指導部に警告したこと。

第2に、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相に対して、自らの政治的リスクを冒してでも停戦合意に署名するよう、圧力をかけたことだ。

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トランプへの大きな借り
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