繰り返すが、場所の所有者・管理者には、犯行機会を減らす義務がある。したがって、学校や保育所などの責任者も、学校や保育所などを「入りにくく見えやすい場所」にする必要がある。

しかし、そうは言っても、関連情報が乏しければ、責任者自身が、性犯罪を行う危険性が高い人を、学校や保育所などに入れたくなくても、気づかずに入れてしまうことも起きる。そうした情報環境をそのままにしておいて、入れてしまった責任を追及するのは酷である。

 

そこで、関連情報を十分に提供することで情報環境を「見えやすい場所」にするから、正しい判断をして、子どもたちを守ってほしいというのがDBSである。言い換えれば、犯罪機会論の実効性を高めるシステムがDBSなのだ。

日本版DBSの議論は、表面的でテクニカルな問題に終始し、根本的な犯罪機会論にまで議論がたどり着いていない。しかし、前述したように、犯罪機会論がDBSの前提なので、今のままでは「木を見て森を見ず」といった感は否めない。本当に子どもを性犯罪から守りたいのなら、まずは犯罪機会論の法制化が必要なのではあるまいか。

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