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山本彌生|アメリカ

ヘンテコ・カワイイだけではない! 『しぶとく成長するポートランド』 コロナ禍の活性化戦略

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Photo | Copyright © 2022 Travel Portland

|ポートランドの今って?経済活性?コロナ禍を生き抜くために?

コロナ禍が深刻化をする少し前から、BLM、暴動、ヘイトクライムなどを大義名分とした破壊行為が、無残にも繰り返されてきたポートランドの中心部。

そんなダウンタウンの勤務形態も、オフィスワーカーにとっては在宅勤務が当たり前。サービス業系種は別として、一般には週に1日から3日の出勤体制という新しい文化がすでに築かれています。

このことから、オフィスビルの空洞化問題は他の都市と同じく。日中でも、人はあまり歩いていない状態が続いて、覇気に欠ける雰囲気です。同時に、サービス産業の労働者不足も引き続き深刻な問題となっています。

コロナ禍による、ビジネス形態の変化と労働者不足の要因は、『最新の米国社会現象から見る、ポートランド』の記事をご覧ください。

現状を脱却する目的で、市長とビジネスオーナー有識者、州知事とビジネス協会、州経済局と有識者など。いくつかの委員会も発足して、知恵を出し合いながら新しい取り組みが繰り広げられています。(筆者も現在、3つの有識者会議の委員を務めています。)

では、『経済効果を生み出すために、観光客を集める』 という基本目的を維持し果たすために、TPとしてどのように生き抜いてきたのでしょうか。

「世界中の多くの都市が困難な時期を経験していたのは、皆同じ。とはいえ、米国の中でも特にポートランドは、困難な時期を過ごしている町であることは明らかです。ですから、以前の町の形態を取り戻すためにも、今は『経済効果と町の治安』に重点を置いています。特に、ダウンタウン地区の活性化に全力を注いでいる際中です。」

そんな町の現状を踏まえて、今まで以上に地域のビジネス協会、市の組織などと垣根を越えた協働案の実施に力を注いでいるとのこと。

コロナ前には実施しえなかった、市民とビジネスを繋げる新しい方法の模索。ツールや案をクリエイティブに考え、試し、発信をしていくことが大切だと言います。

「このような新しい試みを通じて、ポートランドという町の信頼回復に取り組んでいる最中です。その努力のかいもあって、TPが実施している消費者マインド調査の最新データでは、数字が良い方向に進んでいる。そんな結果が出ています。」

【詳しくは、TPのデータをご覧ください。(英語のみ)】

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Photo | Copyright © 2022 Travel Portland

| 日本を含む世界中からの集客を再び! 3つの戦略とマーケティングプランとは?

1・ 他分野との協働リサーチ

「地元ビジネス等との調査を通じて、ポートランドを訪れる最大要因をリサーチし直してみました。その結果、イベントと料理を訪問目的としているという結果が明確に再出されたのです。

この結果を基に、戦略的に『今のポートランドをどう広めるか』 を新たに考え始めました。

より良い町づくりと未来のために。住む人も訪れる人にも、どうポートランドを楽しんでもらうのか。考えを更から洗い直して、戦略をシフトさせていったのです。人々が深く求めている『楽しく・おいしい』ポートランド。そのために、戦略的に予算を組み、可視化されたイベントへ集中投資をし、大々的に発信をする。このようないくつかの試みが、町の負のイメージから、脱却の一歩へとつながりました。」

≪成功例≫

*ビール・フェスの開催+人気グルメTVチャンネルでの放映

*地元ストリート・カートフード+Netflixグルメ番組放映

*地元ブランドメーカー+クリエイティブカルチャー+SNS発信 など

2 ・ 地元ビジネスへの具体的なサポート

「このコロナ禍3年目の夏。中小ビジネスが自力で頑張っても立ち行かなくなるケースは、ますます多くなっています。ですから、行政や協会などが、地元のビジネスを具体的にサポートすることは不可欠だと感じるのです。

TPの場合、ホテル、レストラン、フードカー、ツアー会社、小売店などのパートナーを広くサポートする体制を新しく作り出し、日々実行をしています。

人が集まるところには、新しいアイディアも生まれやすいです。コロナ禍というものに慣れすぎないように、協働という名にふさわしく、互いに助け合い働く時期なんだと感じています。」

≪成功例≫

*GoogleサイトやSNS上へのリソース提供

*地元ビジネス用、無料TP登録システムへの変更

3. リピーター、ファンへの再アプローチ

「ビジネスや視察目的ではない、日本人一般ビジターの多くの方は、ポートランドに行きたい、けれども心がついていかない。そんな話をよく聞きます。」

旅行だけではなく、業種全般に関しても言えること。それは以前、一緒にビジネスをしたことがある人、企業、グループなどへ『具体的に再度アプローチ』をかけてみる時期だという事です。

手間暇惜しまずに、現状と新しいツールを紹介すること。加えて、個人的に久しぶりに話をしてみると、相手の『現在の悩みやニーズ』もわかるはずです。

知らないから不安に思うのは、皆同じこと。相手の○○をしたいという動機が少しでも分かれば、そのハードルを越える方法を探しやすくなるのではないでしょうか。

≪成功例≫

*ポートランドファンになった一人ひとりが、その土地での 『大使』 となって町の魅力を拡散

*SNSなどを使った、現地ビジネスオーナーによる配信レポート

*羽田・ポートランドの直行便(今秋に復活予定。住民と訪問者、そして経済にとって重要な役割。)

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Photo | Copyright © 2022 Travel Portland

「2020年以来、ポートランドの町に変化があったのは事実です。ネガティブなこともたくさんありました。でも、それを乗り越えて最近のポートランドは強くなったのだと感じます。それは青年期の試練を経て、大人に成長する姿にも似ています。

実際、閉店した飲食店は想像以上。でも、その代わりに新しい世代のシェフたちが勢いのあるお店を開業したり。フードカートがより一層充実をしていたり。さらには、面白いコンセプトのショップも次々にオープンしています。ポートランドらしく、フェミニズムやマイノリティーという主張がはっきりした骨太なビジネスも伸びてきているんですよ。」

ただカワイイだけではない、ヘンテコだけではない。このコロナ禍で、『しぶとく成長し続ける』 ポートランドを体感しに来てほしい。そう、締めくくってくれました。

さらに新しく伸びていくポートランド。でも、木の根っこの部分は変わっていません。

あなたがあなた自身の気持ちを尊重して。同時に、周りの人と出来る部分で小さな形から支え合っていく。

自分らしい生き方を見失わないためのヒントを探すため。もう一度原点に立ち戻って、可能性を見つけるチャンスかもしれません。

あなたにとっての原点は、どこにありますか。

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来月(9月)は、先日までオレゴンで開催されていた『世界陸上選手権大会』、その裏舞台のストーリーをお届けします。選ばれた世界のトップのアスリートが、大会に集結。同時に、選抜になれなかった数えきれないアスリート。そんな彼ら彼女らは、実務役として大会に携わっていました。そんな一人の元アスリートが語る、夢をあきらめた後の苦悩。そこから、どのように新しい人生の方向性を見出したのか次のステップに移行しようとしているあなたへの羅針盤です。

記:各回にご登場いただいた方や記載団体に関するお問い合わせは、直接山本迄ご連絡頂ければ幸いです。本記事掲載にあたってのゲストとの合意上、直接のご連絡はお控えください。

 

Profile

著者プロフィール
山本彌生

企画プロジェクト&視察コーディネーション会社PDX COORDINATOR代表。東京都出身。米国留学後、外資系証券会社等を経てNYと東京にNPOを設立。2002年に当社起業。メディア・ビジネス・行政・学術・通訳の5分野を循環させる「独自のビジネスモデル」を構築。ビジネスを超えた "持続可能な" 関係作りに重きを置いている。日系メディア上のポートランド撮影は当社制作が多く、また業務提携先は多岐にわたる。

Facebook:Yayoi O. Yamamoto

Instagram:PDX_Coordinator

協働著作『プレイス・ブランディング』(有斐閣)

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