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「気をつけろ、ICEが来たぞ」――移民摘発の覆面部隊を追う市民の「監視インフラ」

MINNEAPOLIS RISES

2026年1月29日(木)17時35分
アイマン・イスマイル (スレート誌記者)
ネー・ニコル・グッドが射殺された現場を覆う花束と追悼の品々

レネー・ニコル・グッドが射殺された場所は花で埋め尽くされ、追悼の場となった AYMANN ISMAILーSLATE

<移民の強制捜査が日常になったミネアポリスで、住民はICEの動きを共有し、「次の拘束」を避ける網を張っている>

見知らぬ人の運転する車の後部座席に、私は身を沈めていた。ここはミネソタ州のミネアポリス。3日前に、移民関税執行局(ICE)の捜査官が地元の女性レネー・ニコル・グッドを射殺した現場の近くだ。

そして運転席の人物(以下では「C」と呼ぶ)は今、当時のグッドがやっていたのと同じ活動に従事している。


最初のうち、私たちの車は市内をゆっくり巡回していた。そこへ突然、歩きながら周囲を観察していたボランティアから報告が入った。連絡手段は暗号化メッセージアプリのシグナルだ。

このネットワークには何千人もの地元市民が参加し、ICE捜査官の動きに関する情報をリアルタイムで伝え合っている。

報告によれば、カーメル・モール(ソマリア系移民が多い地区なので通称は「ソマリ・モール」)付近で不審な車両2台を目撃したという。

すぐに別の仲間が車のメーカーと車種を伝えてきた。さらに別の仲間はナンバープレートをデータベースで照合し、ICEの車に間違いないと言ってきた。彼らが一般車両を装って動くのは毎度のことだという。

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