「気をつけろ、ICEが来たぞ」――移民摘発の覆面部隊を追う市民の「監視インフラ」
MINNEAPOLIS RISES

Cは交差点へ向かって加速し、「あいつらはきっと、このへんで私たちを追い越す」と言った。
その数秒後、2台のSUVが猛スピードで走り抜けた。窓越しに見えたのは首まで防護具で身を固め、顔を隠してサングラスをかけた男たちの姿だった。
Cは2台のSUVがどこで曲がり、どの道に出て、どこへ向かっているかを通信アプリで逐一報告しつつ、クラクションを激しく鳴らしっ放しにした。
普通なら短気なドライバーの迷惑行為と思われるところだが、今のミネアポリスでは違う。通りすがりの誰もが、すぐに警戒信号だと理解した。
「気を付けろ、ICEが来たぞ」という警報だ。これで隠密作戦だったはずのICEの行動が衆人環視の状況に置かれる。歩行者の1人は立ち止まり、ICEの車に向かって中指を立てた。
2台のSUVは加速した。Cは追いかけ、クラクションを鳴らし続け、通信アプリでの報告も続けた。すると彼らの車は、Cにとってなじみの通りに入った。





