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子育て支援も充実している東京都心部の基礎的な生活費は意外に高くない

2025年12月24日(水)13時30分
舞田敏彦(教育社会学者)

潤沢な財源による子育て支援が充実していても、東京は住居費をはじめとした基礎的生活費がかさむ。教育費が安くなってもトータルで見たら「トントン」になるのではないか、という見方もあるだろう。確かに、東京の住居費は高い。だが公共交通機関が少ない地方では、自家用車の維持費がかかる。今のように寒い時期だと、北国では光熱費も余計にかかる(灯油代など)。

住居費、自動車維持費、公共交通費、そして光熱費。これら4つの合算を基礎的生活費と仮定してみる。東京23区の2人以上世帯だと、4つの年間平均支出額の合計は91万6143円(2024年)。これを平均世帯人員(2.91人)で割ると31万4826円。住民1人あたりの基礎的生活費だ。

newsweekjp20251224032255.png


他県の県庁所在地についても同じ数値を計算し、高い順に並べると<表1>のようになる。東京が首位、少なくとも上位に来るかと思いきや、実際の順位は真ん中よりも下だ。上位の多くは地方県で、やはり自家用車の維持費が重くのしかかるようだ。

東京に住んで働くと高収入を得られ、充実した子育て支援を受けられ、かつ基礎的生活費はさして高くない。子育て世帯にすれば「3トク」とも言える状況で、若い世代が流入してくるのも頷ける。逆に都内に住んでいる上京組は、「地元に帰ったら稼げなくなる」とUターンをためらう。奨学金の返済義務を背負っていれば特にそうだ。

生計に要する費用を考慮した最低賃金の地域差設定も、見直しが求められるかもしれない。最低賃金の全国統一化には、検討の余地がある。経済格差の是正無くして、地方創生はあり得ない。

<資料>
総務省『就業構造基本調査』(2022年)
総務省『家計調査』(2024年)

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