世界最強クラスの禁酒国、サウジアラビアがアルコールを「密かに」解禁? 「バー」もオープン
Saudi Arabia is Quietly Embracing Alcohol
隣国のUAEはアルコールを解禁している
サウジアラビアは現在、天然資源への依存から脱却するため、経済の多角化を目指している。2019年に国際観光客の受け入れを開始したのを皮切りに、様々な分野で宗教的保守主義と国際社会からの期待の間でバランスをとろうとしているのだ。
サウジアラビアはこれまでに、外国人観光客向けに服装規定を緩和したほか、男女混合の飲食も許可した。さらに、スポーツイベント、コンサート、コメディフェスティバルといった西洋の娯楽を楽しむ文化的ハブを目指している。これらの実現のため、アルコールを提供して観光客を引き付けようとしているのかもしれない。
正式な発表こそないものの、アルコール解禁が水面下で進んでいる様子はうかがえる。サウジアラビアを専門とする政治学者である米チュレーン大学のアンドリュー・レバーは、これは過去に見られたサウジの政策運用と一致していると述べている。
「サウジアラビア当局が多くの社会政策を扱う際にとってきたやり方と似ている......あまり公にしない形で、徐々に変化を進め、必要であればその政策を一時停止したり巻き戻したりできるようにしておくという手法だ」
サウジアラビアの隣国で産油国のアラブ首長国連邦は、経済の多角化を目指すため、アルコールを解禁し、観光客を呼び寄せた。サウジアラビアもまた、より多くの外国人観光客を呼び込み、国際的な魅力を高めるため、アルコールに対する姿勢を穏やかに変えていくのかもしれない。
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