最新記事
韓国大統領選

新大統領の李在明も強権化するのか...韓国を蝕む「強いリーダー症候群」の正体

BEYOND THE STRONGMAN

2025年6月4日(水)09時45分
ナヒ・カン(キングズ・カレッジ・ロンドン上級講師)、カヒ・チョ(シェフィールド大学講師)
1961年の軍事クーデターを率いた将軍時代の朴正煕

1961年の軍事クーデターを率いた将軍時代の朴正煕 KAKU KURITAーGAMMA-RAPHO/GETTY IMAGES

<民主主義国の韓国において大統領は民主的プロセスに則って選ばれるが、その大統領は民主的プロセスを無視しがちだ。党内のライバルを容赦なく排除してきた李在明は「強いリーダー」のように見えるが...>

尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領が昨年12月に突然戒厳令を出して以来、韓国では、戒厳令の解除、尹に対する弾劾決議、4月4日の罷免、そして6月3日の出直し大統領選と、大きな政治的混乱が続いた。

果たして、次期大統領の座を手に入れるのは、前回2022年の大統領選で尹に僅差で敗れた中道左派の「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)前代表か、それとも尹と同じ保守系与党「国民の力」の金文洙(キム・ムンス)前雇用労働相か(編集部注:本稿は大統領選前に書かれた。3日に行われた大統領選は李在明が勝利、4日、大統領に就任した)。


事の発端が尹による違法な戒厳令だっただけに、有権者の間では、民主主義を守ることが大きな課題の1つとして認識されている。そして、そのために浮上しているのが、大統領の任期を変更する憲法改正だ。

現在は、1987年の民政移管時の憲法改正により、大統領の任期は1期5年とされている。これをアメリカなどと同じように、4年2期まで(つまり最大8年)にする案が、国内で大きな支持を集めつつある。

なにしろ韓国では、2003年以降に大統領に就任した盧武鉉(ノ・ムヒョン、03〜08年)、李明博(イ・ミョンバク、08〜13年)、朴槿恵(パク・クネ、13〜17年)、そして尹まで全員が、退任後に在任中の汚職で有罪判決を受けるか、在任中に弾劾・罷免されてきた。

まちづくり
川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に──「世界に類を見ない」アリーナシティプロジェクトの魅力
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

EU首脳、中東のエネルギー・水関連施設への攻撃停止

ビジネス

EU、エネ価格高騰で一時的措置検討へ 減税など視野

ビジネス

今年の財貿易伸び1.9%に鈍化、WTO予想 イラン

ビジネス

EUのエネルギー高騰対策、一時的かつ的絞るべき=E
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 ──「成功」が招く自国防衛の弱体化
  • 4
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 5
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 6
    原油高騰よりも米国経済・米株市場の行方を左右する…
  • 7
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 8
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラ…
  • 9
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 10
    トランプ暴走の余波で加熱するW杯「ボイコット論」..…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 5
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 6
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 9
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在…
  • 10
    「ネタニヤフの指が6本」はなぜ死亡説につながったの…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中