最新記事
ローマ教皇

パレスチナは偉大な支援者を失った

Hamas Reacts to the Death of Pope Francis

2025年4月22日(火)19時28分
アミラ・エルフェッキ
パレスチナの旗と教皇フランシスコ

パレスチナの旗と教皇フランシスコ(2015年3月17日、サンピエトロ広場で)Eric Vandeville /ABACAPRESS.COM

<ガザのイスラム組織ハマスはローマ教皇フランシスコが死去すると、ガザの苦境に常に寄り添い、イスラエルのジェノサイド調査も呼びかけた偉大な支援者に謝意を表した。壊滅状態のガザとその住民は大きな味方を失った>

イスラエルと戦闘状態にあるパレスチナのイスラム組織ハマスは、ローマ・カトリック教会の教皇フランシスコの死を悼む声明を発表し、教皇がガザ地区の苦境を非難してきたことに謝意を表明した。

ガザ地区は、ハマスが2023年10月にイスラエルを攻撃したことをきっかけに始まった戦闘により、壊滅状態に陥っている。

4月21日に88歳で死去したローマ教皇フランシスコは生前、ガザ地区の人道危機や世界の他の地域で起きている危機に対して繰り返し警鐘を発し、対話と、責任の所在の明確化を呼びかけていた。

教皇の死去により、人間の尊厳と平和を率先して求めてきた声が失われた。パレスチナ人の大半はキリスト教徒ではなくイスラム教徒だが、教皇は多くのパレスチナ人から敬愛されてきた。

ハマスは声明で、以下のように述べている。「教皇は多くの機会に、世界中で起きている侵攻や戦争に反対の意を表明した。また、ガザ地区に生きる我々パレスチナ人に対する戦争犯罪やジェノサイドを非難する著名な宗教人のひとりだった」

一方、ガザを攻撃する側のイスラエルも教皇の死を悼んだ。イスラエルとパレスチナの指導者はどちらも、対話を促してきた教皇の努力に言及した。

経営
「体が資本」を企業文化に──100年企業・尾崎建設が挑むウェルビーイング経営
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国外相、GCCにFTA早期妥結を要請 保護主義に

ワールド

バーツ高は行き過ぎ、経済に悪影響 中銀と協議=タイ

ビジネス

午後3時のドルは155円前半、日銀会合前に円買い戻

ビジネス

中国万科、18日に再び債権者会合 社債償還延期拒否
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 2
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジアの宝石」の終焉
  • 3
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 4
    極限の筋力をつくる2つの技術とは?...真の力は「前…
  • 5
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 6
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 7
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 8
    大成功の東京デフリンピックが、日本人をこう変えた
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 6
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 9
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 10
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中