アルメニア、ナガルノカラバフめぐるロシアの調停案受け入れ アゼルバイジャンも戦闘停止、死者200人
アゼルバイジャン領ナゴルノカラバフで起きた軍事衝突を巡り、アルメニア系勢力は20日、ロシアの停戦案を受け入れた。衝突で被害を受けた住宅、ステパナケルトで19日撮影。(2023年 ロイター/PAN Photo)
アゼルバイジャン領ナゴルノカラバフで起きた軍事衝突を巡り、アルメニア系勢力は20日、ロシアの停戦案を受け入れた。停戦合意は現地時間20日午後1時(0900GMT、日本時間午後6時)に発効。これを受け、アゼルバイジャンは軍事活動を停止した。
停戦合意はアゼルバイジャンと現地に平和維持軍を派遣しているロシア国防省がまとめた。同地域は完全にアゼルバイジャンの支配するところとなり、アルメニア系分離主義勢力は解散し武装解除されることとなる。
アルメニア系当局者によると、この軍事作戦による死者は少なくとも200人、負傷者は400人に上る。死者のうち10人は子ども含む民間人だという。ロイターはこの情報を確認できていない。
アゼルバイジャンのアリエフ大統領は20日夜、国民に向けた演説で、「鉄拳」により短期間に主権を回復したと述べた。アルメニア系分離主義勢力は武装解除し撤退を開始したという。その上で「カラバフを楽園にする」と表明した。
ナゴルノカラバフのアルメニア系分離主義勢力によると、アゼルバイジャン軍は防衛線を突破し、多くの高地と戦略的に重要な道路の合流地点を占領。戦闘を停止する以外に選択の余地はなかったという。
トルコの支援を受けたアゼルバイジャンの軍事力は分離主義勢力をはるかに凌駕した。ただ、アゼルバイジャンの勝利は隣国アルメニアの政治的混乱につながる可能性がある。
アルメニア国内では、ナゴルノカラバフのアルメニア系住民を保護できなかったことへの批判が高まり、パシニャン首相に対し一部から辞任を求める声が上がっている。また、平和維持軍を駐留させているロシアがアゼルバイジャンを阻止できなかったことに憤る声もある。
ロシア大統領府はこの批判を退けた。プーチン大統領はロシアの平和維持軍には銃撃による死者も出たが、ナゴルノカラバフの民間人を保護すると述べたという。さらに、プーチン氏がパシニャン首相と電話会談を行ったことを明らかにし、「紛争を早期に克服できたことに満足している。完全な敵対行為の停止と9月21日の交渉の開催に関する合意を歓迎する」とした。
しかし、アルメニア系住民の多くはアゼルバイジャンに深い不信感を抱いている。
停戦合意後、ナゴルノカラバフのアルメニア系住民数千人が避難のためロシア平和維持軍が駐留する空港に詰めかけた。同地の写真には、空港にいる多くの人々が写っている。中には幼い子どもを連れた人もいるという。
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