最新記事

SNS

飛行機の両隣に肥満の2人! 「悪夢の状況」をツイートしたら大炎上...これって差別なの?

Why Is Rampant Obesity OK?

2022年11月22日(火)18時38分
シドニー・ワトソン(作家、政治評論家)
飛行機内の座席

ViktorCap-iStock

<あまりにも理不尽な窮屈さを訴えたツイートが大炎上した筆者が考えたこと。太りすぎに寛容すぎる社会の問題点が見えてきた>

10月10日、私はニューヨークからテキサス州ダラス行きのアメリカン航空機に乗った。座席は「32B」。飛行機の左側の列に並ぶ3席の真ん中だ。

飛行機に乗り込み、通路を進んで自分の席が目に入ったとき、私はパニックに襲われた。左隣の窓側の席には、とても太った女性が座っていた。そして右隣の通路側の席には、とても太った男性がいた。

私はこの2人に挟まれて、これから3時間半のフライトを過ごすのだ......。

2人の間にわずかに残るスペースに、なんとか体をねじ込んだ。両隣とは嫌でも体が触れ合う。2人の体が私の席にはみ出しているから、背もたれを使えず、不自然に前かがみになる。脚は閉じて、2人の間に押し込む感じになる。

腕は動かせず、肘掛けも使えず、テーブルを出すこともできない。前の乗客が背もたれを倒したので、私のスペースはさらに狭くなった。

他の乗客が、哀れみの視線を投げ掛けてくれる。ある客室乗務員は「何かありましたら、おっしゃってください」と何度も言ってくれた。でも飛行機は満席で、席を移ることもできない。

そこへ非常に腹立たしいことが起きた。右隣の「32C」から通路を挟んだ席の男性は、私の左側にいる女性の弟のようだった。私は彼に「席を替わりましょうか?」と言ってみた。すると彼は「いえ、大丈夫です」と答えたのだ。

耐えきれなくなって取った行動が炎上

耐えられなくなった私は、誰もがやりそうな手段に出た。機内からツイッターにこの状況を伝える投稿をしたのだ。

すると、たちまち炎上が始まった。両隣の男女を「ばかにしている」とか、「偏見だ」「心が狭い」「脂肪恐怖症」など、さまざまな言葉が飛んできた。私はただ、「飛行機に乗るには、どこまで太っていることが許されるのか」と問い掛けただけなのだが。

アメリカン航空の対応にも失望した。最初は私のツイートに対して、「当社のお客様には、いろいろな体格の方がいらっしゃいます」と言ってきた。だが数日後に私がカスタマーサービスに連絡した後には、「おわびのしるし」として150ドル分のフライトクレジットを贈りたいというメールをよこしてきた。

「150ドルあげるから、静かにしてくれ」というのは、あまりの侮辱ではないか。それにこの姿勢は、私が経験した問題にまともに向き合おうとしていない。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=円が軟化、介入警戒続く

ビジネス

米国株式市場=横ばい、AI・貴金属関連が高い

ワールド

米航空会社、北東部の暴風雪警報で1000便超欠航

ワールド

ゼレンスキー氏は「私が承認するまで何もできない」=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 6
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 7
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 8
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌…
  • 9
    赤ちゃんの「足の動き」に違和感を覚えた母親、動画…
  • 10
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中