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ロシア「経済制裁」は早くも効果が低下...この新たな「戦争の道具」に必要なルールとは

THE ART OF ECONOMIC WARFARE

2022年4月5日(火)18時38分
カウシク・バス(コーネル大学教授)

現在は、ロシアの目と鼻の先にNATOの高度な軍事力を配備することにより、「逆キューバ危機」とも呼べる状況が起きている。この危機を回避するためには、対ロシア制裁のターゲットはプーチンとその側近であって、現体制が変わればアメリカはすぐにもロシア経済の回復を助けることを、もっと明確にする必要がある。

経済戦争の国際的なルールも設定する必要があるだろう。複雑な価値連鎖が確立された現代の世界では、大国はさまざまな方法によって、よその国の経済に壊滅的なダメージを与えることができる。

途上国が相手なら、重要資源の供給をストップしたり、意図的にハイパーインフレを引き起こすことも簡単だろう。こうした措置を禁止するルールを作らなければ、いつかどこかの国が本当に実行する可能性は十分ある。

現在のウクライナ危機の中で、欧米諸国の厳しい対ロシア制裁は正当化されてきた。だが、経済戦争を過去にないレベルまでエスカレートさせてきたのも事実だ。通常戦争にルール(民間人を標的にすることの禁止など)があるように、経済戦争もルール作りを急ぐべきだ。

©Project Syndicate

NW_PSC_Kaushik_Basu_2_Profile_130.jpgカウシク・バス
KAUSHIK BASU
インド出身の経済学者で、現在は米コーネル大学教授(経済学)を務める。過去にはインド政府の首席経済顧問(2009~12年)、世界銀行の上級副総裁兼チーフエコノミスト(12~16年)などを歴任。

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