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米自動運転法案、安全性を重視する専門家から批判の声

2017年10月4日(水)13時16分

10月3日、米議会で審議されている自動運転車の普及促進を目指した法案を巡って、自動車の安全性を重視する専門家らから批判の声が上がっている。写真は自動運転車。マサチューセッツ州ボストンで6月撮影(2017年 ロイター/Brian Snyder)

米議会で審議されている自動運転車の普及促進を目指した法案を巡って、自動車の安全性を重視する専門家らから批判の声が上がっている。

米運輸省道路交通安全局(NHTSA)の局長を務めた経験を持つジョーン・クレイブルック氏は3日、電話会見で「一般の人々がこの危険な実験の衝突試験用ダミーにされてしまう」と懸念。自動車業界は「実質的には、自動車の安全規制をなくそうとしている」と指摘した。

また、消費者団体の自動車安全センター(CAS)代表のジェーソン・レビン氏も、同じ会見で「自動運転車の実用化で先陣を切ろうと急ぐあまりに、企業は慎重さを欠いているのではないか」などと訴えた。

現行法では人間に制御されていない車両は禁じられている。審議中の法案は、人間が運転に関与しない自動運転車について、現行車と同様の安全性を確保していると見なされれば、既存の安全基準の達成を免除するほか、各州政府が性能基準を設定することを禁止するなどの内容。

米上院のジョン・スーン議員とゲーリー・ピーターズ議員は先週、自動運転車法案で超党派合意に達したと明らかにしている。上院商業委員会は4日に採決する予定。下院は9月上旬、同様の法案を可決済み。

[ワシントン 3日 ロイター]


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