最新記事

アメリカ政治

北朝鮮へ外交努力か先制攻撃か 試されるトランプ大統領の決断力

2017年3月9日(木)15時18分

中国はTHAADを自国への脅威とみなしており、対北朝鮮制裁強化への関与を弱らせることになると、外交関係者は語る。

ある政権関係者は「しっかりした事実を基にすべての選択肢を調整する必要がある」とし、メディアは軍事オプションを大きく取り上げすぎだと指摘。「パンチ力があり、従来より威力ある制裁を行うには、中国の協力にある程度かかっている」と語った。

軍事オプション

戦略国際問題研究所(ワシントン)のボニー・グレイサー氏は、中国が取り得る対策として、北朝鮮と違法な金融取引を行った銀行の閉鎖、ダミー会社の摘発、原油輸出の停止、北朝鮮労働者の国外追放などを挙げる。

同氏は軍事オプションに反対の考えを示す。これまでの対話は失敗に終わったものの、トランプ氏が外交による解決を試そうとしても驚きはないとみている。

一つの考えとして、北朝鮮の核・ミサイル開発凍結をまず協議することはあり得るという。

グレイサー氏は「北朝鮮は核兵器保有国として認知するよう求めるかもしれないが、その場合、米国がその点で譲歩するかどうか決断する必要がある」と述べた。

一方、ブッシュ(子)政権下で北朝鮮問題に関与した元外交官のエバンス・リビア氏は、経済制裁や軍派遣、秘密作戦を採用すべきだと指摘する。

こうした戦略を機能させるために必要なリスクをトランプ氏が容認するかどうかはなお不明だ。

ある政権幹部は「この政権は手持ちのカードに基づく選択肢を考え出そうとしており、(北朝鮮の)体制変革といった大きな変化を起こすつもりはないだろう」と語った。

(Matt Spetalnick記者 David Brunnstrom記者)

[ワシントン 7日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

為替の動向、高い緊張感を持って注視=三村財務官

ビジネス

ドル156円台に下落、三村財務官「高い緊張感持ち注

ビジネス

日経平均は続伸で寄り付く、衆院選受け初の5万600

ビジネス

焦点:食品消費税ゼロへ本腰、「財源探し」本格化 外
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 2
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日本をどうしたいのか
  • 3
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予防のために、絶対にしてはいけないこととは?
  • 4
    韓国映画『しあわせな選択』 ニューズウィーク日本…
  • 5
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 6
    背中を制する者が身体を制する...関節と腱を壊さない…
  • 7
    「右足全体が食われた」...突如ビーチに現れたサメが…
  • 8
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 9
    心停止の8割は自宅で起きている──ドラマが広める危険…
  • 10
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 3
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予防のために、絶対にしてはいけないこととは?
  • 4
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 5
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 6
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 7
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 8
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 9
    エヌビディア「一強時代」がついに終焉?割って入っ…
  • 10
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 6
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 7
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 8
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 9
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中