最新記事

イギリス政治

英政界にまた衝撃、ボリス・ジョンソンの代わりにこの男??

2016年7月1日(金)18時06分
アラステア・スローン

 保守党党首選に立候補した今、もしかしたらゴーブは偉大なチャーチルのような首相になれるかもしれない。完璧ではないが、タイミング的には合っている。ゴーブの友人や家族はここ数日、そう説得したのだろう。これまでにゴーブは何度も、自分が首相に適任ではないと公に否定していた。2010年成立の連立政権で教育相に就任し、世論から痛烈な批判を浴びたことで、自信や野望が萎えてしまったようだ。

 国民投票でEU離脱が決まった今、「その時が来た」と周囲に懇願されている可能性もある。EUとの重要な交渉を控え、欧州の連邦主義者に対峙する強い首相が必要なのだ、と。

 唐突に見えるゴーブ周辺の盛り上がりの鍵を握るのは、キャメロンの元顧問でEU「離脱派」のスティーブ・ヒルトンだ。2005年に議員選への立候補を説得したのもヒルトンだった。また財務相のジョージ・オズボーンもゴーブの強硬な外交姿勢に同調している。オズボーンは、国民投票前後には「残留派」として活動していたが、間違いなく「隠れ欧州懐疑派」だ。

暗躍する妻

 しかしゴーブの最大の支援者は、タブロイド紙デイリーメールでコラム二ストを務める妻のサラ・バインだ。ゴーブの周辺では、「むしろサラがファーストレディになりたがっている」とも、囁かれる。サラは最近のコラムで、将来のイギリスとEUとの離脱交渉を「夫婦の共同プロジェクト」と考えていることを明かしている。

 ゴーブが本当に「チャーチル」か、それとも「いんちきチャーチル」か、それはまだわからない。真面目だがトラブルメーカーの教育相――ゴーブに好意的な教職組合の関係者でさえ、思い通りに進まないと怒り出す気性を明かす。「議会で最も礼儀正しい人物」という評判とは食い違う。政策をめぐって対立したデービッド・キャメロン首相からも、プライベートでは「いかれている」と言われたことがある。

 ゴーブはかんしゃく持ちだが、日頃はそれを押し殺している。その気性は、今後のEUとの神経を使う交渉には向いていないかもしれない――チャーチルも同様の気質で、それでもうまくやっていたのは有名な話だが。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米・イラン、ここ数日で直接対話再開か アラグチ外相

ビジネス

再送米国株式市場=急反発、AI関連銘柄が高い 原油

ワールド

IEA、備蓄追加放出も ホルムズ海峡再開が鍵=事務

ワールド

IEA、備蓄追加放出も ホルムズ海峡再開が鍵=事務
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「ネタニヤフの指が6本」はなぜ死亡説につながったのか?
  • 3
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在の価値でどれくらい? 誰が何のために埋めた?
  • 4
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 5
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」…
  • 6
    「筋肉はモッツァレラと同じ」...なぜウォーミングア…
  • 7
    「映画賞の世界は、はっきり言って地獄だ」――ショー…
  • 8
    幼い子供たちの「おぞましい変化」を克明に記録...「…
  • 9
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 10
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 6
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 7
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 8
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 9
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 10
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中