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サウジ=イラン関係は悪化の一途たどる恐れ

2016年1月6日(水)18時44分

 一方サウジは同盟諸国にイランとの断交を促すとともに、イスラム協力機構(OIC)のような組織にサウジのテヘラン大使館襲撃事件で非難声明を出すよう圧力もかけている。場合によってはシリアの反政府勢力支援を強化することもあり得るだろう。

 サウジ、イランそれぞれの政府内にいる強硬派でさえ、全面衝突は避けたいと考えている可能性が大きい。ただ、実際の出来事が関係者の戦略などあっさりと崩し去ってしまうことは今回の一連の動きで証明されている。

 イランの革命防衛隊は、ニムル師が死刑を執行された後、近いうちにサウジ王家は「手厳しい復讐」を受けると警告した。

 サウジの民間シンクタンク、ガルフ・リサーチ・センターの責任者、Abdulaziz al-Sager氏は「革命防衛隊はイラン政府の一部であり、彼らの脅しは深刻に受け止めるべきだ。なぜなら彼らはレバノンやシリア、イラク、イエメンの民兵組織を統括しており、対サウジの軍事行動に利用したとしても何ら驚かない」と話した。

 (Angus McDowall記者)

 

[リヤド 5日 ロイター]


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