最新記事

インタビュー

ビルマ大統領「スー・チー閣僚起用の条件」

2012年4月2日(月)16時13分

──クリントン長官は1月13日に、外交関係の正常化を目指して大使派遣の手続きを始めると発表した。
今のところ、大使を任命するという発表はないようだが。

 欧米諸国がわれわれに求める条件は3つ。政治犯の釈放、補欠選挙の実施、スー・チーをはじめとする人々を政治プロセスに参加させることだ。これらの条件は既に達成したと、私は確信している。欧米の側もやるべきことをやるべきだ。

 3つの条件を実行したのは、国の外から圧力を受けたからではない。この国のために必要だと思ったから、やったのだ。

──経済制裁の圧力のせいではないと?

 経済制裁の目的は政府を痛めつけることだったが、実際は国民の利益を損なった。民主主義体制への移行の手続きを実際に決めたのは、前政権だ。

──03年に発表された7段階の民政移管計画のことか。

 民主主義体制を導入できるように前政権が計画を決め、必要な段階を1つずつ実施してきた。

──今の改革はずっと以前に決まっていた計画で、段階的に進められてきたということか。

 体制を一晩で変えることはできない。一晩で変えようとして、事態を悪化させた国もある。だから7段階の計画を1つずつ進めてきた。今のわれわれは民主的な選挙で選ばれた政府だ。

──しかし閣僚の4分の1は軍人とすると定められ、実際にあなたも含めて大半が軍出身者だ。私たちの考える民主主義は、文民政権が軍を支配する。

 軍は既に政府の執行機関には関与していない。この国の発展には軍の協力が必要だから、彼らを切り捨てることはできない。

──強力な軍隊は必要だが、権力は文民の手にあるべきだというのがアメリカの考え方だ。アメリカの大統領は軍の統合参謀本部議長より権力がある。それが私たちにとっての民主主義だ。

 この国の憲法を勉強してもらいたいものだ。われわれの憲法でも、軍の最高司令官は大統領が任命する。

──アメリカはあなた方と北朝鮮の関係も懸念している。北朝鮮の支援で核開発を進めているかもしれない、とも言われている。北朝鮮との軍事関係を断つつもりはあるか。

 北朝鮮とは外交関係を結んでいるが、核開発や兵器の開発協力といった関係はない。われわれは核兵器不拡散を支持し、国連決議にも従っている。(そのような懸念は)疑惑にすぎない。

 核は保有しておらず、北朝鮮との軍事協力もない。北朝鮮はわれわれの国を支援できる状況ではなく、われわれには核開発を始める財政手段がない。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

商船三井の船舶がホルムズ海峡を通過、日本関連で初め

ワールド

フランスのコンテナ船がホルムズ海峡通過、所有者変更

ワールド

政府内に省エネ呼びかけ案、エコ運転など「ナッジ手法

ワールド

世界食料価格、中東紛争で上昇 肥料コスト高も影響
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
2026年4月 7日号(3/31発売)

国際基準の情報開示や多様な認証制度──本当の「持続可能性」が問われる時代へ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イラン恐怖」の正体
  • 2
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引、インサイダー疑惑が市場に波紋
  • 3
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ海峡封鎖と資源価格高騰が業績を押し上げ
  • 4
    破産申請の理由の4割以上が「関税コスト」...トラン…
  • 5
    年金は何歳からもらうのが得? 男女で違う「最適な受…
  • 6
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始め…
  • 7
    血圧やコレステロール値より重要?死亡リスクを予測…
  • 8
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 9
    満を持して行われたトランプの演説は「期待外れ」...…
  • 10
    人口減の自治体を救う「小さな浄水場」──誰もが常に…
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 3
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 4
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 5
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 6
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 7
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 8
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 9
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 10
    オランウータンに「15分間ロックオン」された女性のS…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中