2030年、AI覇権は米中どちらの手に? 習近平が国家予算を投じてもくろむ「AI先進国」

THE CHASE IS ON

2026年3月18日(水)17時15分
レベッカ・A・ファニン (テクノロジージャーナリスト )

25年初め、中国のAIスタートアップであるディープシークの突然の台頭は、シリコンバレーのハイテク業界を揺るがした。中国の技術力に対する警戒感を呼び起こし、中国がAIの未来を形づくる上でアメリカに追い付く、あるいは追い越す可能性さえ意識させた。

オープンAIのCEOサム・アルトマンは、ディープシークを「見事なモデル」と評した。マイクロソフトのCEOサティア・ナデラも、オープンAIに匹敵するシステムを見たのは初めてだと語った。


著名なベンチャー投資家マーク・アンドリーセンは、ディープシークの登場をAIにおける「スプートニクの瞬間」と表現した。これは出来事の衝撃の大きさを、1957年にソ連が打ち上げた人工衛星スプートニク1号が宇宙開発競争を引き起こした意味合いになぞらえる言い方だ。

米中間の地政学的な綱引きの中心にある半導体チップを製造するエヌビディアのCEOジェンスン・フアンは、中国のAI科学者について「『中国の』というより、ワールドクラスのAI研究者だ」と語った。

ここに見えるのは、中国はもはや急成長する追随者ではなく、アメリカと並ぶ競争相手だという認識だ。ディープシークが登場するまで、西側のアナリストの多くは中国がAI競争で遅れているとみていた。

「中国企業はAIの応用やモデル開発が非常に得意だが、その際にオープンAIやグーグルを基準としている」と、コンサルティング会社DGAグループ(ワシントン)の中国テクノロジー担当パートナー、ポール・トリオロは言う。彼によれば、中国はスマートシティーや顔認識、ロボタクシー、自動化工場などAIの商業応用でアメリカを上回るが、革新の面ではアメリカが優位に立つ。

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