最新記事
SDGsパートナー

「電力99.9%削減、CO2排出量97.3%削減」山一金属が目指す、究極のアルミ缶リサイクルへの挑戦

2024年10月4日(金)11時12分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室 ブランドストーリー
「電力99.9%削減、CO2排出量97.3%削減」山一金属が目指す、究極のアルミ缶リサイクルへの挑戦

サプライチェーン全体でのリサイクル付加価値の向上や、人々の環境マインドの醸成は環境先進国・日本に向けた喫緊の課題だ

<持続可能な社会の実現には、複合的な取り組みが欠かせない。山一金属株式会社は、CO2排出削減や廃棄物の有効活用、アルミ缶の分離技術向上などを掛け合わせることにより、環境負荷を極限まで減らした先進的なアルミ缶づくりに挑んでいる>

世界を変えるには、ニュースになるような大規模なプロジェクトや商品だけでは不十分。日本企業のたとえ小さなSDGsであっても、それが広く伝われば、共感を生み、新たなアイデアにつながり、社会課題の解決に近づいていく──。この考えに基づいてニューズウィーク日本版は昨年に「SDGsアワード」を立ち上げ、今年で2年目を迎えました。その一環として、日本企業によるSDGsの取り組みを積極的に情報発信していきます。

◇ ◇ ◇

SDGsは17の異なる目標で構成されているが、それぞれは独立しているわけではない。すべての目標は相互に関連しあっている。たとえば、エネルギー使用の効率化によって、CO2排出削減と持続可能な経済的発展、両方に貢献することが可能だ。むしろ、複数の課題に同時に取り組むことが、シナジーを発揮するのである。

山一金属の「持続可能なリサイクルアルミ製造プロジェクト」はその好例だ。40年前からアルミのリサイクルに取り組む同社は、工場のCO2排出削減や、廃棄物の有効活用、アルミ缶の分離技術の向上といった取り組みを通じて、環境負荷の低減と資源循環を両立できる製造プロセスの構築を進めている。

「リサイクルの優等生」アルミが持つさらなる可能性

アルミニウムは、軽量性や耐腐食性に優れ、加工がしやすいことから、さまざまな場面で利用されている金属だ。アルミ缶にはもちろんのこと、スマホの筐体や自動車のボディなどにも広く用いられている。

通常、ボーキサイトという鉱石からアルミは精錬されるが、このとき、大量の電気を必要とするほか、「赤泥」と呼ばれる汚染物質が生じてしまう。

その点、リサイクルならば電力を大幅に削減できる上に、赤泥を発生させずに済む。また、アルミはリサイクルを繰り返しても、ほとんど劣化しない素材でもある。「リサイクルの優等生」と言われる所以だ。

山一金属では、アルミを溶解しないリサイクル技術を確立し、ボーキサイトから作る際に比べて、「電力99.9%削減」「CO2排出量97.3%削減」を達成している。日本で消費されるアルミ缶は年間約220億本。このうちの約15%、30億本を、同社は環境負荷の少ないかたちでリサイクルしている。

アルミタブレット

アルミペレットを圧縮・成型することでできた主力製品のアルミタブレット

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米「夏のブラックフライデー」、オンライン売上高が3

ワールド

オーストラリア、いかなる紛争にも事前に軍派遣の約束

ワールド

イラン外相、IAEAとの協力に前向き 査察には慎重

ワールド

金総書記がロシア外相と会談、ウクライナ紛争巡り全面
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首」に予想外のものが...救出劇が話題
  • 3
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打って出たときの顛末
  • 4
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 5
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    主人公の女性サムライをKōki,が熱演!ハリウッド映画…
  • 8
    【クイズ】未踏峰(誰も登ったことがない山)の中で…
  • 9
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 10
    『イカゲーム』の次はコレ...「デスゲーム」好き必見…
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 4
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 7
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 8
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 9
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、…
  • 10
    アリ駆除用の「毒餌」に、アリが意外な方法で「反抗…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中