最新記事

テレビ

リアル過ぎてヤバいドラマ

The Real Reality TV

印刷

 時事問題を盛り込んだドラマの製作者は、彼と同じ悩みを抱えているに違いない。ドラマが国民の気分をストーリーに反映するだけでなく世論に大きな影響を与えるようになったら、事実に反する内容が大問題になる恐れがある。

 これは大統領とその側近らを描いた『ザ・ホワイトハウス』が人気を集めた時期に直面した問題でもある。性的スキャンダルを起こしたビル・クリントン大統領(当時)を批評する際、このドラマの主要登場人物である高潔なバートレット大統領(マーティン・シーン)がよく引き合いに出されたものだ。

現実離れも批判の的に

『24』への評価はアメリカ人が実際に抱いている危機感のレベルに左右されてきた。07年のシーズン6で扱われた脅威は、現実社会の危機感のレベルを超えてしまった。

 フィクションとはいえ、アメリカで核兵器が爆発してしまうのだ。筋書きとしては問題なかったが、視聴者の目には荒唐無稽に映った。ジャックの英雄的行為を強調するための設定にしては、やり過ぎの感があった。

 そのせいかシーズン7の冒頭で、ジャックは過去に行った拷問などについての責任を上院公聴会で追及される。『24』は勇み足を認めたようだ。

 『V』は4話が放送された後、放映が中断された。テレビ局幹部が政権批判と受け取られることに不安を募らせていたという話もある。

 現実離れしていても批判されるし、リアル過ぎても物議を醸す。ドラマ作りは難しい。    

[2010年2月 3日号掲載]

今、あなたにオススメ

最新ニュース

ワールド

ペルー大統領、フジモリ氏に恩赦 健康悪化理由に

2017.12.25

ビジネス

前場の日経平均は小反落、クリスマス休暇で動意薄

2017.12.25

ビジネス

正午のドルは113円前半、参加者少なく動意に乏しい

2017.12.25

ビジネス

中国、来年のM2伸び率目標を過去最低水準に設定へ=現地紙

2017.12.25

新着

ここまで来た AI医療

癌の早期発見で、医療AIが専門医に勝てる理由

2018.11.14
中東

それでも「アラブの春」は終わっていない

2018.11.14
日中関係

安倍首相、日中「三原則」発言のくい違いと中国側が公表した発言記録

2018.11.14
ページトップへ

本誌紹介 最新号

2024.4.30号(4/23発売)

特集:世界が愛した日本アニメ30

2024.4.30号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

エンタメ 世界が日本アニメを愛する理由
代表作 世界を変えた日本アニメ30
解説 なぜ日本マンガが北米で空前の人気に?
追悼 「鳥山明ワールド」は永遠に
デジタル雑誌を購入
最新号の目次を見る
本誌紹介一覧へ

Recommended

MAGAZINE

特集:静かな戦争

2017-12・26号(12/19発売)

電磁パルス攻撃、音響兵器、細菌感染モスキート......。日常生活に入り込み壊滅的ダメージを与える見えない新兵器

  • 最新号の目次
  • 予約購読お申し込み
  • デジタル版

ニューストピックス

人気ランキング (ジャンル別)

  • 最新記事
  • コラム&ブログ
  • 最新ニュース