中国がイラン戦争最大の被害者? 習近平の誤った経済政策と石油危機が奏でる「最悪なハーモニー」
China’s Economy Could Be the Biggest Casualty of the Iran War | Opinion
中国共産党の失策で経済が脆弱に
中国経済は強靭だと考える者も多いが、実際には比較的小さな衝撃でも大きな影響を受ける、きわめて脆弱な構造を持っている。
この脆弱性は中国共産党の政策に起因する。
世界の著名な経済学者たちの助言を繰り返し退けてきた中国の習近平(シー・チンピン)国家主席は、個人消費を経済の基盤とすべきではないと考えている。北京市で最近閉幕した「両会」において、中国指導部は「人への投資」を掲げたものの、消費を拡大するための構造改革は打ち出されなかった。
また、今年のGDP成長目標を4.5%から5.0%と発表したが、実際には達成されない見通しとなっている。結果、中央政府は引き続き投資資金を経済に注ぎ込み続けることになる。この手法は資金を一般市民の手元に行き渡らせないため、消費を抑制する。
中国における個人消費は世界最低水準のGDPの約40%にすぎない。しかも習が投資主導の成長を重視し続けているため、もともと低い消費の寄与度はさらに低下しているように思える。
実際問題、中国の指導者は経済成長の手段を輸出1つに限定してしまった。つまり、自給自足を掲げる習は、自国経済の運命を外国に委ねたのだ。
これまでのところ、この賭けは成功してきた。中国の輸出統計は水増しされている可能性があるが、それでも成長は顕著であった。2024年、中国の貿易黒字は9922億ドルに達し、昨年は驚異的な1兆1900億ドルとなった。
しかし先進国およびいわゆるグローバルサウスの国々の双方で、中国製品に対する関税やその他の障壁による抵抗が強まりつつある。例えば昨年、ブラジルは中国製の電気自動車およびプラグインハイブリッド車に対する関税を再導入した。
現時点で中国の工場には、安価で信頼性の高いエネルギーの両方が必要である。イラン戦争は、そのコストと安定性の双方を脅かしている。
またこの戦争はグローバル化そのものにも脅威を与えている。世界が安定していた時代には、中国の対外市場への依存は問題ではなかったかもしれない。
しかし現在、世界は混乱の中にある。冷戦後30年間の安定から最大の恩恵を受けてきた中国が、イラン戦争をはじめとするさまざまな紛争の最大の被害者となる可能性がある。
[筆者]
ゴードン・G・チャン(Gordon G. Chang)
『やがて中国の崩壊がはじまる』『Plan Red: China's Project to Destroy America(未邦訳)』の著者。
(本稿で示された見解は筆者個人によるものです)





