最新記事
トランプ関税

トランプ関税はブラジルやインドにはチャンス?...「対米赤字を逆手に」

2025年4月10日(木)08時56分

リン氏は「米国または世界経済が完全に動きを止めたり、景気後退に陥ったりすれば、貿易戦争の『勝者』は皆無となる。全てが(他国と比べてみればどうか、という)相対的な話にすぎない」と突き放した。

インド製品は26%の関税が課されているが、アジアの競合国が受ける打撃よりはさらに深刻。そうした中でインドは危機打開の機会を模索している。


 

ロイターが入手したインド政府の内部資料によると、米国が輸入する繊維と衣料、履物などの分野ではインド製シェアの拡大が見込める。米政府の相互関税措置の発表直後、商工省は「米国の通商政策における今回の新たな展開によって生じる可能性のある各種の機会を調査中だ」との見解を表明した。

インドは中国よりも関税率が低い措置を受けた。このため、米アップルのiPhone(アイフォーン)製造シェアでは中国を引き離して拡大することを期待しているが、対インド関税は26%に及ぶため、米国ではアイフォーンが大幅に値上がりする恐れがある。

南米では、輸出が銅から穀物に至るまで一次産品に集中している中、米国の関税による混乱で、長年停滞していた南米関税同盟メルコスル(南米共同市場)と欧州連合(EU)との自由貿易協定(FTA)交渉が再び勢いづくとの期待が出ている。

メキシコも相互関税措置では、他国に比べれば傷は浅い。RBCブルーベイの新興市場担当上級ストラテジストによると、貿易の大半が米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)によって守られているためだ。

ただ「メキシコ関連の資産は他国の資産に比べて厳しい状態だ。メキシコは米経済の影響を大きく受けるためだ」と話した。その上で「結局のところ、トランプ氏の貿易政策は回り回って米経済を痛めつけている」と切って捨てた。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 トランプの帝国
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年2月10号(2月3日発売)は「トランプの帝国」特集。南北アメリカの完全支配を狙う新戦略は中国の覇権を許し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

新START失効なら世界が警戒すべき事態=ロシア前

ワールド

中国春節帰省・旅行ラッシュ始まる、連休長期化で消費

ワールド

インドネシアCPI、1月は前年比+3.55% 23

ビジネス

みずほFG、10ー12月純利益は14%増の3299
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 2
    関節が弱ると人生も鈍る...健康長寿は「自重筋トレ」から生まれる
  • 3
    世界初、太陽光だけで走る完全自己充電バイク...イタリア建築家が生んだ次世代モビリティ「ソラリス」
  • 4
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 5
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 6
    中国がちらつかせる「琉球カード」の真意
  • 7
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 8
    中国政府に転んだ「反逆のアーティスト」艾未未の正体
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    エプスタイン文書追加公開...ラトニック商務長官、ケ…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 4
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 5
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 6
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 7
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 8
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 9
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 10
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中