最新記事
アメリカ経済

「メイド・イン・USA」に高いハードル...アパレル産業「国内回帰」の難しさとは?

2025年3月17日(月)09時13分
ニュージャージー州ニューアークのワイシャツ工場

3月13日、トランプ米大統領の「メイド・イン・USA」のかけ声に押される形で、米国の一部アパレル小売り事業者はTシャツからコート、スーツに至るまで、国内生産を拡大している。写真は米ニュージャージー州ニューアークのワイシャツ工場。5日撮影(2025年 ロイター/Mike Segar)

トランプ米大統領の「メイド・イン・USA」のかけ声に押される形で、米国の一部アパレル小売り事業者はTシャツからコート、スーツに至るまで、国内生産を拡大している。

ただし供給設備が限られるため、米国へ大々的に生産がシフトする公算は乏しい。また、人件費の高止まりや輸入原材料への関税が存在する以上、米国で作るアパレル製品が割高になるのは避けられないという。


 

事情に詳しい関係者によると、トランプ氏は11日、ウォルマートを含めた米企業経営トップと面会し、米国で生産活動に従事する企業の法人税率を21%から15%に引き下げると改めて約束した。また輸入品に関税を課す方針を正当化し、関税をさらに強化する可能性にも言及した。

こうした中でニュージャージー州ニューアークに拠点を置くドレスシャツ製造のギャンバート・シャツメーカーズのオーナー兼最高経営責任者(CEO)、ミッチ・ギャンバート氏は「国内に生産拠点を戻すことを検討中のブランドから非常に多くの問い合わせを受けている」と語った。

同社は百貨店チェーン大手ノードストロームの3店舗に木綿織のシャツを卸しているが、ノードストローム側から6月末までに納入先を50店に増やせないかと打診された。

カリフォルニア州で婦人服小売りを手がけるリフォーメーションの幹部キャスリーン・タルボット氏は、トランプ氏の関税政策に対応し、ロサンゼルスのサプライヤーへの発注を増やしているほか、ニューヨーク州やネバダ州への発注を検討するかもしれないと話す。

リフォーメーションは現在、メキシコの6工場から製品を輸入し、オンラインと米国、英国、カナダの50店舗超で販売している。

タルボット氏は、4月にメキシコからの輸入品が関税対象となるため、リフォーメーションは急いでサプライチェーン(供給網)の修正に動かざるを得なくなったと説明した。

地方自治体
人口減の自治体を救う「小さな浄水場」──誰もが常に安心な水にアクセスできる社会の実現へ
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

金正恩氏の娘は後継者、「信頼できる情報」が示唆と韓

ワールド

ウクライナ、南東部と東部の前線で480平方キロ奪還

ビジネス

マツダ、中東向け生産を5月も停止 欧米向け拡大で生

ビジネス

インタビュー:政策株売却で変わる株主構成、対話支援
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
2026年4月 7日号(3/31発売)

国際基準の情報開示や多様な認証制度──本当の「持続可能性」が問われる時代へ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐせ・ワースト1
  • 2
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙の2大テーマでAI懸念を払拭できるか
  • 3
    「高市しぐさ」の問題は「媚び」だけか?...異形の「攻撃的知能」を解剖する
  • 4
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの…
  • 5
    地面にくねくねと伸びる「奇妙な筋」の正体は? 飛行…
  • 6
    トランプ、イランに合意期限「米東部時間6日午前10時…
  • 7
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始め…
  • 8
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 9
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 10
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始めた限界
  • 3
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引、インサイダー疑惑が市場に波紋
  • 4
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐ…
  • 5
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 6
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙…
  • 7
    中国がイラン戦争最大の被害者? 習近平の誤った経…
  • 8
    年金は何歳からもらうのが得? 男女で違う「最適な受…
  • 9
    「高市しぐさ」の問題は「媚び」だけか?...異形の「…
  • 10
    初の女性カンタベリー大主教が就任...ウィリアム皇太…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中