最新記事

エネルギー

中国に敗れた米ソーラー業界

Solar Panel Company Abruptly Shuts Down

鳴り物入りで始まったクリーンエネルギー・プログラムが、太陽光電池メーカーの相次ぐ倒産で窮地に

2011年9月1日(木)17時48分

 アメリカ企業が世界で競争できる事業バラク・オバマ米大統領が期待をかけたグリーン・テクノロジーのベンチャー企業が、8月31日に突然閉鎖した。カリフォルニア州フレモントの太陽光電池パネルメーカー、ソリンドラ社は、世界的な景気低迷と、海外のライバルとの競争に敗れたことを理由に、破産申請することを発表した。ソリンドラ社の従業員1100人は全員、解雇手当もないまま直ちに解雇された。

 米CBSニュースによれば、同社のCEOブライアン・ハリソンは「最近の政策変更やあいまいさのおかげで、ソーラーパネルは短期的な供給過剰と価格低下に陥った」と語っている。

 ソリンドラ社は、05年に発足したクリーンエネルギー・プログラムの下、米エネルギー省から融資保証を受けた初めての企業。09年に5億3500万ドルの融資保証を受け、ベンチャー投資資金からも11億ドルを確保していた。

 シリコンバレーのサンノゼ・マーキュリー・ニューズ紙はこう書いている。


 ソリンドラ社はベンチャー・キャピタルや政府の資金を得ていたが、経営は苦しかった。同社が追い詰められた要因の1つには、政府からの莫大な補助金を後ろ盾にした低コストの中国メーカーが巨大な工場を建設していることがある。これによって太陽光パネルの値段は急激に下がり、パネル製造工場の50%以上は中国に移った。

 専門家らはまた、ソリンドラ社は生産コスト抑制に失敗したとも指摘した。産業界の観測筋は、同社のソーラーチューブはアメリカの同業他社製品の水準よりも2〜3倍高かった。


 2010年5月、オバマはフレモントにある同社の工場を訪れて演説し、「ソリンドラ社のような企業が、今以上に明るく豊かな未来への道を開く」と語った。

「私たちの支援を受けたすべての革新的な企業が成功するわけではないと分かっている」と、エネルギー省の広報担当者ダン・レイスティコウは語っている。「だがアメリカが世界経済のリーダーとなり得る鍵となる、形勢を逆転するような技術には投資せざるを得ない」

 先月破産を発表したアメリカの太陽光電池メーカーは、ソリンドラ社で3社目だ。エバーグリーン・ソーラーは2週間前に破産申請し、その4日後にはインテル社から独立したスペクトラワット社が続いた。

GlobalPost.com特約

ニュース速報

ビジネス

中国、金融の安全性維持で対策必要━国家主席=新華社

ビジネス

中国大都市の住宅価格、規制緩和なら上昇━発改委=人

ワールド

RCEP締結がASEANの優先事項=フィリピン貿易

ワールド

北朝鮮問題で日中高官が協議、安保理決議の厳密な履行

MAGAZINE

特集:国際情勢10大リスク

2017-5・ 2号(4/25発売)

北朝鮮問題、フランス大統領選、トランプ外交──。リーダーなき世界が直面する「10のリスク」を読み解く

グローバル人材を目指す

人気ランキング

  • 1

    25日に何も起こらなくても、北朝鮮「核危機」は再発する

  • 2

    北朝鮮ミサイル攻撃を警戒、日本で核シェルターの需要が急増

  • 3

    北朝鮮、軍創設記念日で大規模砲撃演習 米原潜は釜山入港し牽制

  • 4

    「いま米軍が撃てば金正恩たちは全滅するのに」北朝…

  • 5

    トランプ「現状維持容認できず」 安保理の北朝鮮への…

  • 6

    知っておきたい、インサイダー取引になる場合・なら…

  • 7

    ロシア軍が北朝鮮に向け装備移動か 大統領府はコメ…

  • 8

    もし第3次世界大戦が起こったら

  • 9

    北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは...

  • 10

    中朝同盟は「血の絆」ではない。日本の根本的勘違い

  • 1

    25日に何も起こらなくても、北朝鮮「核危機」は再発する

  • 2

    米空母「実は北朝鮮に向かっていなかった」判明までの経緯

  • 3

    ロシア軍が北朝鮮に向け装備移動か 大統領府はコメント拒否

  • 4

    北朝鮮ミサイル攻撃を警戒、日本で核シェルターの需…

  • 5

    「いま米軍が撃てば金正恩たちは全滅するのに」北朝…

  • 6

    ISISの終わりが見えた

  • 7

    北朝鮮「超強力な先制攻撃」を警告 トランプは中国…

  • 8

    北朝鮮、軍創設記念日で大規模砲撃演習 米原潜は釜…

  • 9

    北朝鮮は戦争をしたいのか?したくないのか?

  • 10

    北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは...

  • 1

    25日に何も起こらなくても、北朝鮮「核危機」は再発する

  • 2

    「いま米軍が撃てば金正恩たちは全滅するのに」北朝鮮庶民の本音

  • 3

    ユナイテッド航空「炎上」、その後わかった5つのこと

  • 4

    北朝鮮に対する軍事攻撃ははじまるのか

  • 5

    米空母「実は北朝鮮に向かっていなかった」判明まで…

  • 6

    15日の「金日成誕生日」を前に、緊張高まる朝鮮半島

  • 7

    北朝鮮への米武力攻撃をとめるためか?――習近平、ト…

  • 8

    北朝鮮近海に米軍が空母派遣、金正恩の運命は5月に決…

  • 9

    オーバーブッキングのユナイテッド航空機、乗客引き…

  • 10

    ユナイテッド機の引きずり出し事件に中国人激怒、の…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

日本再発見 「外国人から見たニッポンの不思議」
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版 別冊

0歳からの教育 知育諞

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2017年4月
  • 2017年3月
  • 2017年2月
  • 2017年1月
  • 2016年12月
  • 2016年11月