プレスリリース

コールセンター向け英語・日本語対応 自律型音声 AIエージェントを開発

2025年10月28日(火)10時30分
日本国内でBPO事業を運営するelDesign株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:坂越 健一、以下 elDesign社)は、株式会社Functional AI Partners(本社:シンガポール、代表取締役:Getty Poon、以下 FunAi社)と共同で、多言語音声AIエージェントの開発を進め、この度完了したことを発表いたします。

今回の開発により、コールセンター業務において従来オペレーターが担っていた業務を、AIエージェントが複数言語で対応できるようになりました。
これにより、応対時間の短縮や夜間・休日対応、外国語対応などの定型業務にかかるコストの大幅削減が可能になります。
さらに、月間1,000コール規模での試算において、1コールあたりUS$0.67(約101円)以下と一般的なコールセンターの外注費と比較して同等以下の価格を達成。追加開発によりUS$0.20(約30円)以下を目指すことで、企業の人材不足やコスト構造の課題の解決を可能にします。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/553276/LL_img_553276_1.png
image

■開発の背景
2025年、世界中のコールセンター・コンタクトセンター業界で音声AIエージェントの導入(主に英語、中国語)が飛躍的に進み、日本市場が遅れをとっている中で、今回の取り組みは音声ガイダンスやシンプルなチャットボット利用を超えた自律型音声AIエージェントでコールの完結を目指すものとなります。
日本国内のコールセンター・コンタクトセンター業界ではDX化による進歩は進んでいますが、未だにオペレーター人材は不足した状態が続いています。在宅勤務の普及や、BPOクライアント企業の接客・問い合わせ対応チャネルの多様化も進んでおり、多様化するチャネルと親和性の高いAIエージェント対応のニーズが高まっています。


■AIエージェント開発概要
本プロジェクトでは、約1.5ヶ月の開発期間で多言語対応の自律型音声AIエージェントを構築しました。このAIは、人のオペレーターと同様に電話で相手と自然に会話し、問い合わせ内容に応じて応答・処理を行います。
技術プラットフォームには 11 Labs、n8n、Twilio を採用し、日本語特有の発音にも対応するためゼロからボイストレーニングデータを構築しています。

【技術構成】
導入言語 :日本語・英語
開発プラットフォーム :11 Labs、n8n、Twilio
コミュニケーションチャネル:音声(SIP回線)、Email(社内コミュニケーション)
搭載LLM :Gemini、Grok

【開発プラットフォーム選定理由】
開発方針として、データは日本国内で管理し、テクノロジーは世界中で先行する最新技術を利用することとし、日本国内テクノロジーのガラパゴス化に左右されない安定したサービス提供を実現するための開発プラットフォームを選定いたしました。

11 Labs(米国):現時点ではどのLLMが将来的に優位に立つか先が見えない状況のため、LLM提供元が販売する音声AIプラットフォームは除外し(Google Cloud TTS/Microsoft Azure TTS など)、汎用性とAPI連携が高く、日本語ボイストレーニング機能が優れた11 Labsに決定しました。コールログ管理のベース機能も優れており、最終的な決め手は日本語を含めたマルチ言語でのログ理解力の高さです。

n8n(独):フロー設計とEmailコミュニケーションはn8nを選定。連携LLMの種類が多く、ユーザーフレンドリーなUI/UXなため、不慣れなクライアント企業経営陣にもわかりやすく設計を説明でき、運用フェーズではクライアント企業内担当でも運用可能です。

Twilio(米国):コールセンター・コンタクトセンター業界のIP電話システム連携には欠かせない「SIPタンク・プロバイダー」はコアのプラットフォームとなる11 Labとの親和性が高いTwilio社を選定。今なおシンプルなVoIP連携のみ提供している日系コールセンターシステムも「SIPタンキング」への対応が加速する要因でもあります。

【開発責任者からのコメント】
今回のプロジェクトでは、日本のコールセンターやコンタクトセンター業界で経営課題として続いている「高齢化社会」、「人材不足」、「カスタマーハラスメント」、「日本語のニュアンス」や「国内外国人労働者の増加」に対して変化する企業ニーズに「自律的」AIエージェントがどこまで事業貢献できるかというチャレンジと捉えていました。
既に海外では音声AIエージェントのコールセンター導入は当たり前の時代であるため、elDesign社からは「日本だけで使用できる仕組みは必要ない」という厳しい要件も頂き、当社の目線とも合致したことで、グローバル基準を見据えた開発を実現することができました。
今回最も困難であったのは、やはり日本語の発音です。elDesign社ご協力のもと、ゼロから日本語ボイストレーニングデータを仕上げる点が一番苦労した点でしたが、今後の技術向上と共に更に精度があがっていく分野だと考えています。


■今後の展開
本ソリューションはすでにデモ環境を整備しており、実際のコールセンター業務を想定したAIエージェントの動作をご覧いただけます。
今後は、日本国内の企業向けに段階的な導入を進め、2030年までにコールセンター領域におけるAI対応比率を30%まで引き上げることを目指します。
また、導入をご検討の企業様や自社コールセンターをお持ちの事業者様からのお問い合わせも随時受け付けており、実業務に即した形での開発・実証を進めていく予定です。


■会社概要
【elDesign社】
「エネルギー/環境/経済の視点から新たなライフスタイルをデザインする」をビジョンに2014年創業。エネルギー事業に関するコンサルティングとインキュベーションの双方を展開。
社会の課題を新たな事業の創造により解決することを目指し、今後も新たなアイデアやテクノロジーをもとに挑戦を続けます。

ウェブサイト https://eldesign.jp/

【株式会社Functional AI Partners】
2023年よりシンガポールを中心としたアジア市場に向けてAIエージェント利用を「よりシンプルに」をモットーとして、AIエージェント開発事業を開始。これまで21名のAIエージェントを開発。文字通り日々進化するAI業界の中で、今の技術で「最も役に立つ業務」のみを開発するという方針で事業運営。Singapore Computer Societyメンバー。
当社AIエージェントプランナーはクロスボーダーのビジネス・コンサルティング出身で、業務上「何が役に立つか」を設計し、クライアント企業をガイドするスタイルのAIエージェント開発。

ウェブサイト(日本語) https://fun-ai.io/ja/
LinkedIn(英語) https://www.linkedin.com/company/functional-ai-partners-pte-ltd

【FunAi社のロゴにこめた想い】

画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/553276/LL_img_553276_2.png
FunAiロゴ

同社ロゴは創業者のAI業界参入への覚悟と、AIエージェントが将来的に現在確立されている「労働市場」に及ぼす影響を考え、どれだけ大きなハードルであっても決して負けないという想いから、日本の戦国時代に活躍した武将の一人、真田幸村の家紋である六文銭をベースにデザインされています。
2025年1月には長野県上田城を訪問し、その覚悟と先進的な「労働市場」への貢献を誓いました。


詳細はこちら
プレスリリース提供元:@Press
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イスラエル首相、ハマスが停戦違反と主張 既収容遺体

ビジネス

ユーロ高、欧州製品の競争力を著しく損なう 伊中銀総

ワールド

ウクライナ、和平交渉の用意あるが領土は譲らず=ゼレ

ビジネス

米景気減速リスクは誇張、資金流入続く 金融大手幹部
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大ショック...ネットでは「ラッキーでは?」の声
  • 3
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」にSNS震撼、誰もが恐れる「その正体」とは?
  • 4
    「平均47秒」ヒトの集中力は過去20年で半減以下にな…
  • 5
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 6
    楽器演奏が「脳の健康」を保つ...高齢期の記憶力維持…
  • 7
    「信じられない...」レストランで泣いている女性の元…
  • 8
    「死んだゴキブリの上に...」新居に引っ越してきた住…
  • 9
    中国のレアアース輸出規制の発動控え、大慌てになっ…
  • 10
    シンガポール、南シナ海の防衛強化へ自国建造の多任…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 4
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 5
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 6
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 7
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 8
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 9
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 10
    シンガポール、南シナ海の防衛強化へ自国建造の多任…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 9
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中