銀行の信用リスク移転取引は注視が必要、バーゼル委員会が警鐘
写真はロンドンのビジネス街。2025年11月、ロンドンで撮影。REUTERS/Toby Melville
Tommy Reggiori Wilkes
[ロンドン 17日 ロイター] - バーゼル銀行監督委員会は17日公表した報告書で「シンセティック・リスク・トランスファー」(SRT)と呼ばれる銀行の信用リスク移転取引がもたらすリスクに言及し、注視が必要だと訴えた。
SRTは、銀行が保有する貸し出し資産に付随する信用リスクの全部ないし一部を、ヘッジファンドや年金基金など第三者に移転する取引。銀行にとっては自己資本規制の制約を緩和しつつ、顧客との関係を維持できるメリットがある。
こうした取引は、特に欧州連合(EU)で規制変更を受けて2016-24年に3倍余りに膨らんだほか、米国でも23年の規制整備後に急増した。
バーゼル委員会は、SRT取引はリスクの買い手として、透明性の低いノンバンク金融仲介機関(NBFI)に依存する面が大きく、これらが破綻した場合に与信の流れに悪影響を及ぼしかねないと警告している。
報告書は「SRT市場の長期にわたる凍結が引き起こす信用収縮は経済悪化に拍車をかけ、NBFIセクターのストレスを増大させて、レバレッジの巻き戻しを通じた負の連鎖につながる可能性がある」と指摘した。
またバーゼル委員会は、銀行がNBFIの信用リスク購入に関する資金を融通するなど両者の緊密な関係によって生じるリスクも高まっていると強調した。





