EU、フィンランドに対する財政赤字是正手続き提案を検討へ
ヘルシンキ市庁舎に掲げられたフィンランド国旗。2024年2月10日撮影。REUTERS/Tom Little
[ブリュッセル 25日 ロイター] - 欧州連合(EU)欧州委員会は25日、フィンランドに対する「過剰財政赤字手続き(EDP)」提案の検討に入ると明らかにした。防衛費増額という特別な要素を考慮した後でも、財政赤字が許容範囲を上回っているとみなしたためだ。
EUのルールでは加盟国は財政赤字が国内総生産(GDP)比3%を超えることが認められておらず、ルールに違反した場合は欧州委の勧告に基づいて財務相会合が赤字削減の期限を設定。この期限を繰り返し守れないと、制裁金を科される可能性もある。
一方欧州がロシアの脅威にさらされている点から、加盟国は一定の防衛費増額分は赤字ルールの算定から除外される。
しかし欧州委は、そうした例外措置があってもなおフィンランドの今年の財政赤字は大き過ぎると指摘。「このため欧州委はフィンランドへのEDP開始を提案することを検討していく」と説明した。
フィンランドは昨年の財政赤字のGDP比が4.4%で、今年は4.5%に達する見込み。政策変更がなければ来年は4.0%、2027年も3.9%までしか縮小しないとみられている。
プーラ財務相は「欧州委の判断は想定外ではなかった。フィンランド財政は悪化が続いているからだ」と述べ、財政再建の取り組みは数回の議会会期にわたって継続されると付け加えた。





