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サウジ、外国人人材の高額給与を抑制 経済改革の注力分野に変化

2025年11月17日(月)14時18分

 11月17日 サウジアラビアの建設業や製造業などの企業が海外人材を呼び込むための高額な給与を抑制しつつあると、採用業界の関係者4人が明らかにした。写真は5月28日、サウジアラビアの首都リヤドで撮影(2025年 ロイター/Hamad I Mohammed)

Rachna Uppal Federico Maccioni

[アブダビ16日ロイター] - サウジアラビアの建設業や製造業などの企業が海外人材を呼び込むための高額な給与を抑制しつつあると、採用業界の関係者4人が明らかにした。

世界最大の産油国サウジは、石油依存の縮小、雇用創出、観光や不動産、鉱業、金融サービスなどの産業拡大を目指した経済改革「ビジョン2030」を推進中で、すでに計画の半分以上が終了。こうしたプロジェクトへの大規模投資では、高スキルの外国人人材の需要が大幅に高まった。

ただ、情報筋2人によると、現在はこうした人材に提示されるオファーが大きく抑制されている。人材紹介会社ボイデンのマネジングディレクター、マグディ・アルゼイン氏によると、候補者も数多くなっていることから、「雇用主はパッケージを見直すことになる」という。

こうした変化は、インフラや不動産中心だった巨大プロジェクトが人工知能(AI)、物流、鉱業などのより高い収益が見込める分野に方向転換したことを反映しているという。

一方、原油価格の下落で国の財政赤字は拡大。政府は原油市場を支えるために生産を抑制している。国際通貨基金(IMF)によると、財政均衡には原油価格が100ドル近くまで上昇する必要がある。

ドバイが拠点の人材紹介会社トスカン・ミドル・イーストのハサン・ババット氏は「開発のペースは鈍化し、採用活動も停滞している。現在、雇用主は人材不足だった以前よりも給与交渉に力を入れており、企業はコスト意識の高い対応を講じている」と述べた。

ロイター
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