ローマ教皇の葬儀、20万人が最後の別れ トランプ氏ら要人も参列

21日に死去したローマ教皇フランシスコの葬儀が26日、バチカン市のサンピエトロ広場で行われ、世界の指導者や王室、多くの弔問客が参列した。ローマ教皇庁によると、信者ら約20万人も広場周辺に集まり、教皇に最後の別れを告げた(2025年 ロイター/Remo Casilli)
Joshua McElwee Crispian Balmer Philip Pullella
[バチカン市 26日 ロイター] - 21日に死去したローマ教皇フランシスコの葬儀が26日、バチカン市のサンピエトロ広場で行われ、世界の指導者や王室、多くの弔問客が参列した。ローマ教皇庁によると、信者ら約20万人も広場周辺に集まり、教皇に最後の別れを告げた。
アルゼンチン出身で、12年間在位した教皇フランシスコは2月に肺炎などで入院。3月末に退院して療養中だったが、復活祭(イースター)の行事で公の場に姿を見せた翌21日に脳卒中で死去した。88歳だった。
葬儀の冒頭、大きな十字架が装飾された教皇のひつぎが14人の担ぎ手によってサンピエトロ大聖堂から広場に運び出されると、大きな拍手が沸き起こった。
司式したジョバンニ・バッティスタ・レ枢機卿は「人間的な温かさにあふれ、現代の課題に深く敏感だった教皇フランシスコは、この時代の不安や苦しみ、そして希望を真に共有してくださった」と述べ、移民や社会的弱者、環境への配慮という教皇の遺産がともに途絶えてはならないと訴えた。
<世界の要人が参列>
葬儀のため、世界各国から多くの指導者がバチカンに集まり、トランプ米大統領夫妻のほか、アルゼンチン、フランス、ガボン、ドイツ、フィリピン、ポーランドの大統領、英国、ニュージーランドの首相、スペイン国王と王妃など多くの王族も参列した。
また、ウクライナのゼレンスキー大統領も参列し、トランプ氏と会談。米ホワイトハウス関係者によると、ウクライナ戦争終結に向けた協議が行われる中、「非常に建設的な協議」になったという。
<伝統に沿わず>
葬儀は教皇の希望通り簡素に行われ、歴代の教皇が使用したひのき、亜鉛、オークでできたひつぎではなく、亜鉛で裏打ちした木製のひつぎが使用されたという。
さらに、遺体はバチカン市ではなく、ローマのサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂に埋葬される。教皇の埋葬地がバチカン以外になるのは1世紀以上ぶり。
今後の注目は新たな教皇を決める選挙(コンクラーベ)で、5月6日以降になるとみられている。