ニュース速報
ワールド

ローマ教皇の葬儀、20万人が最後の別れ トランプ氏ら要人も参列

2025年04月26日(土)20時33分

 21日に死去したローマ教皇フランシスコの葬儀が26日、バチカン市のサンピエトロ広場で行われ、世界の指導者や王室、多くの弔問客が参列した。ローマ教皇庁によると、信者ら約20万人も広場周辺に集まり、教皇に最後の別れを告げた(2025年 ロイター/Remo Casilli)

Joshua McElwee Crispian Balmer Philip Pullella

[バチカン市 26日 ロイター] - 21日に死去したローマ教皇フランシスコの葬儀が26日、バチカン市のサンピエトロ広場で行われ、世界の指導者や王室、多くの弔問客が参列した。ローマ教皇庁によると、信者ら約20万人も広場周辺に集まり、教皇に最後の別れを告げた。

アルゼンチン出身で、12年間在位した教皇フランシスコは2月に肺炎などで入院。3月末に退院して療養中だったが、復活祭(イースター)の行事で公の場に姿を見せた翌21日に脳卒中で死去した。88歳だった。

葬儀の冒頭、大きな十字架が装飾された教皇のひつぎが14人の担ぎ手によってサンピエトロ大聖堂から広場に運び出されると、大きな拍手が沸き起こった。

司式したジョバンニ・バッティスタ・レ枢機卿は「人間的な温かさにあふれ、現代の課題に深く敏感だった教皇フランシスコは、この時代の不安や苦しみ、そして希望を真に共有してくださった」と述べ、移民や社会的弱者、環境への配慮という教皇の遺産がともに途絶えてはならないと訴えた。

<世界の要人が参列>

葬儀のため、世界各国から多くの指導者がバチカンに集まり、トランプ米大統領夫妻のほか、アルゼンチン、フランス、ガボン、ドイツ、フィリピン、ポーランドの大統領、英国、ニュージーランドの首相、スペイン国王と王妃など多くの王族も参列した。

また、ウクライナのゼレンスキー大統領も参列し、トランプ氏と会談。米ホワイトハウス関係者によると、ウクライナ戦争終結に向けた協議が行われる中、「非常に建設的な協議」になったという。

<伝統に沿わず>

葬儀は教皇の希望通り簡素に行われ、歴代の教皇が使用したひのき、亜鉛、オークでできたひつぎではなく、亜鉛で裏打ちした木製のひつぎが使用されたという。

さらに、遺体はバチカン市ではなく、ローマのサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂に埋葬される。教皇の埋葬地がバチカン以外になるのは1世紀以上ぶり。

今後の注目は新たな教皇を決める選挙(コンクラーベ)で、5月6日以降になるとみられている。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国、レアアース対米輸出規制緩和で米軍関連企業を除

ワールド

ユーロ圏の銀行、気候対策次第で与信条件に差 グリー

ワールド

米韓合意の文書いまだ発表されず、潜水艦問題で難航か

ワールド

NY市長選、マムダニ氏当選でユダヤ系有権者に亀裂 
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一撃」は、キケの一言から生まれた
  • 2
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    コロンビアに出現した「謎の球体」はUFOか? 地球外…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    インスタントラーメンが脳に悪影響? 米研究が示す「…
  • 7
    中年男性と若い女性が「スタバの限定カップ」を取り…
  • 8
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 9
    レイ・ダリオが語る「米国経済の危険な構造」:生産…
  • 10
    「爆発の瞬間、炎の中に消えた」...UPS機墜落映像が…
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 3
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 6
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 7
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 8
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 9
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 10
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中