中東情勢悪化を警告、ヒズボラ通信機器爆発で 米国務長官がエジプト訪問
ブリンケン米国務長官(左)は18日、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの戦闘員らが利用していた数千台のポケットベル爆発を受け、中東情勢が悪化するリスクがあると警告した。エジプト・カイロで同日撮影(2024年 ロイター/Evelyn Hockstein)
[カイロ 18日 ロイター] - ブリンケン米国務長官は18日、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの戦闘員らが利用していた数千台のポケットベル爆発を受け、中東情勢が悪化するリスクがあると警告した。
レバノン当局によると、17日に起きた爆発に伴い子ども2人を含む12人が死亡、3000人近くが負傷した。
パレスチナ自治区ガザ停戦と人質解放での合意を目指しエジプト訪問中のブリンケン長官は、アブデルアティ外相との会談後に開いた共同記者会見で爆発に関する質問に対し、米国は情報を収集中としつつも、紛争の拡大は誰の利益にもならないと強調。「全ての当事者が紛争を激化させる可能性のあるいかなる行動も控えることが不可欠」と述べた。
米国が、爆発事件の背後に誰がいると考えているかについては言及しなかった。
さらに、イスラエルとレバノンの国境を含む地域に平穏をもたらす停戦合意の確保に注力しており、合意に向けた全18条項中、15条項については全当事者間で合意されていると述べた。
エジプト大統領府の声明によると、シシ大統領も18日にブリンケン長官と会談し、エジプトが「紛争を激化させ、地域的に拡大させる」試みに反対し、全ての当事者に責任ある行動をとるよう求める考えを表明した。
米国務省の当局者によると、ブリンケン長官は19日にカイロからフランスのパリに向かい、仏・伊・英の外相らと会談し、中東やウクライナ情勢などを巡り協議する。マクロン仏大統領とも会談する予定という。
今回の中東訪問で、ブリンケン長官はイスラエルを訪れない。イスラエル軍とハマスの戦闘が始まってからブリンケン長官は頻繁に中東に足を運んでいるものの、イスラエルを訪問しないのは今回が初めて。