ニュース速報

ワールド

ロシア、新STARTに違反 査察義務果たす必要=米国務省

2023年02月01日(水)16時36分

 1月31日、米国はロシアが米ロの核軍縮の枠組みである新戦略兵器削減条約(新START)に違反していると非難した。2018年3月、シアトルで撮影(2023年 ロイター/Lindsey Wasson)

[ワシントン 31日 ロイター] - 米国は31日、ロシアが米ロの核軍縮の枠組みである新戦略兵器削減条約(新START)に違反していると非難した。核関連施設の査察を認める義務を果たしていないことを理由に挙げた。

国務省報道官は声明で「ロシアによる査察活動支援の拒否は、米国が条約の下で重要な権利を行使することを阻害し、米ロ核軍縮の実現可能性を脅かしている」と述べた。

同時に、ロシアには査察活動を許可し、条約順守に戻る「明確な道筋」があるとし、米政府は引き続き条約の完全履行に向けロシアと協力する用意があるとした。

また、「新STARTは依然として米国の国家安全保障上の利益にかなう」と述べた。

インタファクス通信によると、ロシアのアントノフ駐米大使は「軍縮は地政学的現実から切り離すことはできない」と述べ、ロシアは今のところ米軍を戦略施設に迎え入れることは不適切だと考えているとした。

それでもなお、新STARTのその他の規定や制限には従うと語った。

ロシアは昨年8月、米国による渡航制限を理由に、新STARTに基づく査察活動を一時停止する方針を米国に通告。

米ロは査察再開について昨年11月にエジプト・カイロで協議を行う予定だったが、ロシアは協議を延期し、双方はその後、新たな会談の日程を決定していない。

新STARTは2011年に発効し、21年に5年間延長された。

ロシアは30日、米国に対し、新STARTがこれ以上は延長されず、26年に失効する可能性があると伝えた。

ロシアのリャプコフ外務次官は、26年以降に新STARTが存在しないことを想定しているかとの質問に対し、「かなり可能性のあるシナリオだ」と答えた。ロシア国営通信社RIAが報じた。

*カテゴリーを追加して再送します。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ウォラーFRB理事、次期議長の適性に自信 12月利

ワールド

中国主席がトランプ米大統領と電話会談=新華社

ワールド

欧州、ウクライナ支援継続 和平協議の新たな勢いを歓

ワールド

ウクライナ和平交渉団帰国へ、ゼレンスキー氏「次の対
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネディの孫」の出馬にSNS熱狂、「顔以外も完璧」との声
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナゾ仕様」...「ここじゃできない!」
  • 4
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    「搭乗禁止にすべき」 後ろの席の乗客が行った「あり…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    「イラつく」「飛び降りたくなる」遅延する飛行機、…
  • 10
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 3
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 4
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 5
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 9
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 10
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中