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再送米7月CPI2.7%上昇、コア加速 関税の影響受けやすい品目の価格上昇

2025年08月13日(水)05時31分

米労働省の労働統計局(BLS)が12日発表した7月の消費者物価指数(CPI)は、前月比0.2%上昇し前月の0.3%上昇から鈍化、前年比は2.7%上昇で前月の上昇幅と変わらずだった。ニューヨーク市内のフットロッカー店舗で5月撮影(2025年 ロイター/Jeenah Moon/File Photo)

(見出しの脱字を補って再送します。)

Lucia Mutikani

[ワシントン 12日 ロイター] - 米労働省の労働統計局(BLS)が12日発表した7月の消費者物価指数(CPI)は前年比2.7%上昇した。伸びは前月から横ばいで、市場予想の2.8%を下回った。一方、航空運賃や医療費などのサービスや、関税の影響を受けやすい品目の価格が上昇する中、変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数の伸びは加速した。

トランプ政権の関税措置の消費者への転嫁は足元限定的となっているものの、米連邦準備理事会(FRB)が重視するサービス部門のデフレ傾向が失速の兆候を示す中、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げは確実ではないとみられる。8月の雇用統計や今後発表されるインフレ指標が金利の道筋の鍵を握る可能性がある。

ブリーン・キャピタルのシニア経済アドバイザー、コンラッド・デクアドロス氏は、7月のCPIはFRBに現状維持、利下げ「いずれの主張にも根拠を与えない」と指摘。「様子見したいFRB当局者には、そう主張する材料を十分に与える」一方、「利下げ支持派には、関税が一時的な影響かつ転嫁は小幅で、労働市場を巡るリスクがあると主張するだろう」と述べた。

物価の「瞬間風速」を示すCPIの前月比は0.2%上昇。伸びは前月の0.3%上昇から鈍化し、市場予想と一致した。

ガソリン価格は前月比2.2%下落。過去2カ月連続で0.3%上昇していた食品は横ばい。食料品店は0.1%下落。これまで急騰していた卵の価格が下がったことが背景にある。

<コア指数は上昇>

一方、コア指数は前月比0.3%上昇した。伸びは前月の0.2%から加速し、1月以来の大幅な伸びを記録した。市場予想とは一致した。

項目別では航空運賃が4.0%上昇。医療費は0.7%上昇し、2022年9月以来の大幅な伸びを記録。歯科サービスも2.6%上昇し、過去最高の伸びとなった。

サービス全体では2カ月連続で0.3%上昇した。

関税の影響を受けやすい家具・家庭用装飾品は0.7%上昇。靴は1.4%上昇と、21年4月以来の大幅な上昇となった。自動車部品・機器も0.9%上昇した。

半面、家電製品はや医薬品は下落し、衣料品はほぼ変わらずだった。

モノ全体では0.2%上昇。一部のエコノミストは、需要の低迷によって、関税によるコスト上昇を消費者に転嫁する企業の能力が弱まっているという指摘もある。

コメリカ銀行のチーフエコノミスト、ビル・アダムズ氏は「関税を巡る状況が落ち着くまで値上げを控えている企業もあるだろう」としつつも、「赤字を出して事業を続ける企業はない。企業はいずれ何らかの形で転嫁するだろう」と述べた。

コア指数は前年比では3.1%上昇。前月の2.9%上昇から加速し、予想の3.0%上昇を上回った。

FWDBONDSのチーフエコノミスト、クリストファー・ラプキー氏は、店頭に並ぶ商品は数カ月前に到着したもので「現時点で消費者のもとに向かっている商品の価格にはまだ関税引き上げの影響は反映されていない」と指摘。「インフレの到来はこれから」とし、「インフレがないと喜ぶのはまだ早いだろう」とくぎを刺した。

予算と人員削減で一部地域でCPI項目のデータ収集が部分的に停止され、統計の内容に対する懸念が高まっている。

BLSは「調査作業量をリソースにあわせる」ため、ネブラスカ、ユタ、ニューヨーク州の1都市でCPIデータ収集を完全に停止、他の72地域でも平均で15%の収集を停止した。

BLSは、価格と賃料の収集が一時的に減少したため、代入法(インピュテーション)で不足情報を補完。この割合は、5月の30%から6月には35%に増加したという。

エコノミストは、このBLSの手法はCPIデータのバイアスにつながらないがボラティリティーは懸念材料と指摘している。

ロイター
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