ニュース速報
ビジネス

ビットコイン最高値、8万7000ドル突破 トランプ氏に規制緩和期待

2024年11月12日(火)07時28分

 11月10日、暗号資産(仮想通貨)ビットコインがアジア時間の取引で8万1000ドルを突破し、過去最高値を更新した。写真はボスニア・ヘルツェゴビナのサラエボで1月撮影(2024 ロイター/Dado Ruvic)

[ロンドン/ニューヨーク 11日 ロイター] - 暗号資産(仮想通貨)ビットコインが11日の取引で8万7000ドルを突破し、過去最高値を更新した。米大統領選でのトランプ氏勝利に加え、議会選で仮想通貨推進派候補の多くが当選したことを受け、規制緩和に期待が高まっている。

ビットコインは一時8万7460ドルを付けて最高値を更新した。直近のレートは8万7079ドルと、10日終盤から9%近く上昇し、1月に付けた今年の安値3万8505ドルから2倍以上に上昇している。

イーサも3カ月余りぶりの高値となる3350.70ドルを付け、直近は前日比4.6%高の3318.42ドル。ドージコインは3年ぶり高値。

米国株式市場の暗号資産関連銘柄も急騰。コインベース・グローバルは22%、ライオット・プラットフォームズは19%、マイクロストラテジーが約24%、それぞれ上昇した。

ビットコイン現物の上場投資信託(ETF)iシェアーズ・ビットコイン・トラストは13%高となった。

シティ・インデックスのシニア市場アナリスト、マット・シンプソン氏は「ビットコインのトランプ・パンプは健在だ。共和党が下院も制して(上下両院で多数派を占める)レッドウエーブ(赤い波)が実現する勢いとなる中、デジタル通貨の規制緩和に期待が高まっている」と指摘。同時に「トランプ氏は(不法移民の)強制送還、恩赦、バイデン政権の政策全般の解体に関心を向けているとみられ、(市場の)やみくもな楽観主義のように見える」とも述べた。

トランプ氏は選挙戦で米国を「地球上の仮想通貨の首都」にすると表明。仮想通貨の規制強化を進めるゲンスラー証券取引委員会(SEC)委員長を解任する意向を示している。

仮想通貨業界は選挙戦で仮想通貨推進派を支援するため、1億1900万ドル以上を投入。オハイオ州では業界最大の敵の1人とされていたブラウン上院銀行委員長が落選し、ミシガン、ウェストバージニア、インディアナ、アラバマ、ノースカロライナ各州では民主・共和の仮想通貨推進派候補が当選した。

トランプ氏は9月、新たな暗号資産ビジネス「ワールド・リバティ・ファイナンシャル」の立ち上げを発表。詳細は不明だが、投資家はトランプ氏個人が暗号資産に関心を寄せていることは支援材料だと指摘している。

トランプ氏を支持する実業家のイーロン・マスク氏も仮想通貨を支持。トランプ氏の息子エリック・トランプ氏は来月アブダビで開催されるビットコイン会議で基調講演を行う予定。

ドイツ銀行の調査アナリスト、マリオン・ラボーレ氏はトランプ次期政権により暗号資産を巡る「規制上の透明性向上の加速、機関投資家の参加拡大、市場インフラの改善、主流に向けた普及につながる可能性がある」と予想。

「トランプ氏の実利的なアプローチは最近の規制上の制約から明確な脱却を意味する」とした。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米最高裁、教育省解体・職員解雇阻止の下級審命令取り

ワールド

トランプ氏、ウクライナに兵器供与 50日以内の和平

ビジネス

米国株式市場=小反発、ナスダック最高値 決算シーズ

ワールド

ウへのパトリオットミサイル移転、数日・週間以内に決
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    真っ赤に染まった夜空...ロシア軍の「ドローン700機」に襲撃されたキーウ、大爆発の瞬間を捉えた「衝撃映像」
  • 2
    「史上最も高価な昼寝」ウィンブルドン屈指の熱戦中にまさかの居眠り...その姿がばっちり撮られた大物セレブとは?
  • 3
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別「年収ランキング」を発表
  • 4
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    【クイズ】次のうち、生物学的に「本当に存在する」…
  • 7
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 8
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 9
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 10
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首」に予想外のものが...救出劇が話題
  • 4
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 5
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 8
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 9
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 10
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中