ニュース速報

ビジネス

世界経済見通し一層不透明に、株価急落・原油大幅安

2015年08月22日(土)04時35分

 8月21日、各種経済指標から、中国経済が一段と減速し、欧州経済もさえない状況が浮き彫りとなった。写真は雲に覆われた上海の金融街。2011年8月撮影(2015年 ロイター/Carlos Barria)

[ロンドン/北京 21日 ロイター] - 21日発表された各種経済指標から、中国経済が一段と減速し、欧州経済もさえない状況が浮き彫りとなった。世界経済への見通しが一層不透明となるなか、株価が世界的に急落、原油価格も大幅に値下がりした。

財新/マークイットが発表した8月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は47.1で、2009年3月以来約6年半ぶりの低水準となった。内訳を見ると、ほぼすべての項目が悪化。生産は約4年ぶりの低水準となり、国内・輸出受注の縮小も加速。企業は人員解雇を増やした。新規受注は3年ぶりの低水準を記録。新規輸出受注は2013年6月以来の水準に落ち込んだ。

INGグループ(シンガポール)のエコノミスト、ティム・コンドン氏は「中国経済をめぐる不透明感が相場の大きな変動要因になっている」と指摘。「今回の統計で世界経済への不安は強まった」と述べた。

こうしたなかマークイットが発表した8月のユーロ圏PMI速報値は、総合指数が54.1となり7月の53.9から上昇。市場は53.8への低下を予想していた。指数は2013年半ば以降、50を超えているが、域内総生産(GDP)で換算した場合、7─9月期の伸びは0.4%程度にとどまる見通し。

キャピタル・エコノミクスのジェニファー・マキューン氏は「欧州の成長はさえないとみられ、域内の余剰生産能力の解消にはほとんど役に立たないだろう」と指摘。その上で域内の成長は今後減速するとの予想に変わりないと述べた。

21日の株式相場は世界的に急落。米国ではダウ平均株価<.DJI>は300ドル以上値下がりしたほか、主要株価指数が軒並み2%下落した。欧州FTSEユーロファースト300種指数<.FTEU3>は3%強安。日経平均株価<.N225>は500円以上値下がりし1万9500円を割り込んだ。北海ブレント原油先物は3%安の45ドル近辺。米原油先物は約6年半ぶりの40ドル割れとなった。

ロイター
Copyright (C) 2015 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ユーロ圏銀行融資、3月も低調 家計向けは10年ぶり

ビジネス

英アングロ、BHPの買収提案拒否 「事業価値を過小

ビジネス

ドル一時急落、154円後半まで約2円 その後急反発

ビジネス

野村HD、1―3月期純利益は前年比7.7倍 全部門
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 5

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 6

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 7

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 8

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 8

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中