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中国当局がIT企業に押し付ける「監視機能」...板挟みの企業が見せたギリギリの抵抗

2022年7月29日(金)11時30分
チャウンシー・ジャン
ワープロソフト「WPS」

中国で人気のワープロソフト「WPS」に疑惑が KINGSOFT OFFICE

<中国IT大手キングソフトが暗に認めた当局による「検閲」。中国当局のプレッシャーと、ユーザーの板挟みという苦しい立場に置かれているようだ>

6月下旬、中国IT大手キングソフトが提供するクラウドベースのワープロソフト「WPSオフィス」に検閲疑惑が浮上した。中国の作家が原稿をクラウドに保存したところ、「違法な」情報が含まれているとしてアクセスできなくなったと告発したのだ。

同社は当初、検閲を否定しつつも、7月13日には中国のサイバーセキュリティー法に従っているだけだと発表。来年末までに無料版WPSから広告を排除すると告知するなど、ユーザーのつなぎ留めに必死になっている。

1989年のリリース以来、WPSは中国においてマイクロソフト・オフィスに代わる業務ソフトとなってきた。今回、国内法に従わざるを得ない状況をユーザー離れのリスクを冒してまで認めたことは、同社がユーザーと当局の板挟みになっている証拠でもある。

国内法の縛りを受け自社製品に監視機能を付けているとみられる中国IT大手は少なくない。リスクを冒した声明は、キングソフトなりの「告発」だったのかも。

©2022 The Diplomat

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