最新記事

カトリック教会

被害者の大半は男の子で10代前半 仏カトリック教会、性的虐待「21万6000人」の衝撃

2021年10月11日(月)16時10分
アナ・カールソン
仏南部ニースのノートルダム寺院

過去にも大規模な犯罪を隠蔽してきたカトリック教会(写真は10月4日、仏ニースのノートルダム寺院) Eric Gaillard-REUTERS

<約3000人の加害者のうち、3分の2が神父だった>

神父による性的虐待問題が世界中で噴出しているカトリック教会に、新たな汚点が加わった。10月5日、フランスのカトリック教会における聖職者の子供への性的虐待を調査してきた独立調査委員会が、過去70年間に性的虐待を受けた子供は想定21万6000人に上るとする調査結果を公表。多くの事案が既に時効を迎えているなか、調査委は教会に対し、隠蔽や黙殺ではなく金銭的補償をするよう求めた。

調査委員長を務めたジャンマルク・ソベは、調査委が1950年代にさかのぼって調査した結果、教会は2000年代初めまで「被害者に対して残酷なまでに無関心を貫いた」と批判。報告書によれば、証拠が見つかっているだけでも加害者は約3000人。そのうち3分の2が神父であったという。被害者の大半は男の子で、被害当時は10~13歳だった。

被害者団体は、教会による隠蔽が大規模な犯罪を許したとしつつ、調査結果は「歴史的転換点」になると評価した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

日中、米国とそれぞれ電話首脳会談 国連に書簡も送付

ワールド

中国への「復帰」は台湾人の選択肢でないと行政院長、

ワールド

ブラジル政府予算、郵政事業悪化で打撃 事態さらに悪

ワールド

ロシア、対中石油輸出の拡大協議=ノバク副首相
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネディの孫」の出馬にSNS熱狂、「顔以外も完璧」との声
  • 3
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後悔しない人生後半のマネープラン
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    「搭乗禁止にすべき」 後ろの席の乗客が行った「あり…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 10
    「イラつく」「飛び降りたくなる」遅延する飛行機、…
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 3
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 4
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 5
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 6
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 9
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 10
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中