最新記事

新型コロナウイルス

英首相ジョンソン「死ぬのは高齢者だけ」と昨年秋にロックダウン拒否 元側近が暴露

2021年7月20日(火)11時44分
ドミニク・カミングス前英首相上級顧問

ドミニク・カミングス前英首相上級顧問(写真)はBBCのテレビインタビューで、新型コロナウイルス感染拡大を抑制するために昨年秋に導入された2度目のロックダウン(都市封鎖)について、犠牲になるのは高齢者だけだとしてジョンソン首相が実施に難色を示していたと明らかにした。7月20日の放送に先立ち、インタビューの抜粋が19日に公開された。2020年11月撮影(2021年 ロイター/Toby Melville)

ドミニク・カミングス前英首相上級顧問はBBCのテレビインタビューで、新型コロナウイルス感染拡大を抑制するために昨年秋に導入された2度目のロックダウン(都市封鎖)について、犠牲になるのは高齢者だけだとしてジョンソン首相が実施に難色を示していたと明らかにした。首相は医療体制が逼迫している状況も否定したという。

カミングス氏がテレビインタビューに応じるのは昨年の辞任以降初めて。20日の放送に先立ちインタビューの抜粋が公開された。それによると、ジョンソン首相は「死亡しているのは基本的に80歳以上だ」とし、ロックダウンに否定的な姿勢を示した。

また、感染拡大の初期に政権内で感染が広がっている兆候があり、国民には特に高齢者との不必要な接触を控えるよう指示が出されていたにもかかわらず、エリザベス女王(95)に会おうとしたという。

カミングス氏はジョンソン首相が側近に宛てたという10月からの一連のメッセージに言及した。

ロイターはこれらのメッセージについて、信ぴょう性を確認できていない。

ジョンソン首相の報道官は「首相は最善の科学的助言を得て、国民の命と生活を守るために必要な行動」を取ったと述べた。

野党・労働党は、カミングス氏の暴露により公式な調査の必要性が高まったとし、「首相が公衆衛生を犠牲にして何度も間違った判断をしてきたことが改めて示された」と指摘した。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=まちまち、FOMC受け不安定な展開

ワールド

英、パレスチナ国家承認へ トランプ氏の訪英後の今週

ビジネス

NY外為市場=ドル下落後切り返す、FOMC受け荒い

ビジネス

FRB0.25%利下げ、6会合ぶり 雇用にらみ年内
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、日本では定番商品「天国のようなアレ」を販売へ
  • 2
    中国は「アメリカなしでも繁栄できる」と豪語するが...最新経済統計が示す、中国の「虚勢」の実態
  • 3
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェイン・ジョンソンの、あまりの「激やせぶり」にネット騒然
  • 4
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ…
  • 5
    【クイズ】世界で最も「リラックスできる都市」が発…
  • 6
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 7
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサイルが命中、米政府「機密扱い」の衝撃映像が公開に
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 6
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「なんて無駄」「空飛ぶ宮殿...」パリス・ヒルトン、…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中