最新記事

人権問題

中国、ウイグル族「虐殺」の可能性 米国内で迫害行為も=米議会委員会

2021年1月15日(金)11時37分

中国問題に関する米連邦議会・行政府委員会は14日公表した報告書で、中国が新疆ウイグル自治区でウイグル族などイスラム教徒の少数民族に対し「ジェノサイド(民族大量虐殺)」を犯した可能性があるとの見解を示した。写真は「ウイグル族に自由を」と書かれたプラカードを持つ男性、資料写真、米首都ワシントンで2020年7月撮影(2021年 ロイター/Leah Millis)

中国問題に関する米連邦議会・行政府委員会(CECC)は14日公表した報告書で、中国が新疆ウイグル自治区でウイグル族などイスラム教徒の少数民族に対し「ジェノサイド(民族大量虐殺)」を犯した可能性があるとの見解を示した。

同自治区で「非人道的犯罪、おそらくジェノサイドが発生している」という新たな証拠が過去1年間に示されたとしている。

また、中国が米国でウイグル族への嫌がらせ行為をしているとも非難した。

在ワシントンの中国大使館は14日、CECCは「中国を中傷するため、あらゆるうそをでっち上げることに執着している」とし、疑惑を否定した。

大使館の報道官は「いわゆる『ジェノサイド』は、反中勢力が意図的に広めたうわさで、中国の信用を傷つけるための茶番だ」と述べた。

CECCは米政府に対し、新疆ウイグル自治区で「残虐行為が行われているかどうか」正式な判断を求めた。政府は昨年12月27日に可決された法案に基づき、90日以内に判断を下す必要がある。

ポンペオ国務長官は認定する方向で検討してきたが、当局者らは現在の政局混迷を踏まえ、バイデン次期大統領の就任までに判断が発表される可能性は低いとみている。

国務省はコメント要請に応じていない。

CECCの共同委員長を務める民主党のジム・マクガバン下院議員は、過去1年間の中国による人権侵害は「衝撃的で前代未聞」とし、議会と次期政権に対し、中国の責任を追及すよう求めた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・オーストラリアの島を買って住民の立ち入りを禁じた中国企業に怨嗟の声
・反日デモへつながった尖閣沖事件から10年 「特攻漁船」船長の意外すぎる末路
→→→【2021年最新 証券会社ランキング】



ニューズウィーク日本版 ジョン・レノン暗殺の真実
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月16日号(12月9日発売)は「ジョン・レノン暗殺の真実」特集。衝撃の事件から45年、暗殺犯が日本人ジャーナリストに語った「真相」 文・青木冨貴子

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米ブラウン大学で銃撃、2人死亡・9人負傷 容疑者逃

ワールド

シリアで米兵ら3人死亡、ISの攻撃か トランプ氏が

ワールド

タイ首相、カンボジアとの戦闘継続を表明

ワールド

ベラルーシ、平和賞受賞者や邦人ら123人釈放 米が
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    「前を閉めてくれ...」F1観戦モデルの「超密着コーデ…
  • 5
    現役・東大院生! 中国出身の芸人「いぜん」は、なぜ…
  • 6
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 7
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 8
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 9
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 10
    「体が資本」を企業文化に──100年企業・尾崎建設が挑…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 7
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 8
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中