最新記事

感染症

アメリカの新型コロナウイルス感染増加 日本などへの渡航制限強化の可能性も

2020年3月4日(水)09時00分

米疾病対策センター(CDC)は3日、国内の新型コロナウイルス感染者(疑い例含む)が2日時点で108人になったと発表した。ニューヨークで2日撮影(2020年 ロイター/ANDREW KELLY)

米疾病対策センター(CDC)は3日、国内の新型コロナウイルス感染者(疑い例含む)が2日時点で108人になったと発表した。うち60人は12州で感染が確認された。

米国内で感染者が増加する中、トランプ大統領は新型ウイルスの流行が深刻な国への渡航制限を強化する可能性を示唆。「米国は非常に厳重に対応してきたが、今後は新型ウイルスの影響が深刻な他国についても見極め、何らかの措置を講じる考えだ」と述べた。米政権はイタリア、韓国、日本での状況を「注視しており、適時に正しい決定をする」と述べた。

この日は、北西部ワシントン州で新型ウイルスの患者が27人に増加。このうち9人は死亡した。

また、ニューヨーク州のクオモ知事は、同州で2人目の新型コロナウイルス感染が確認されたと発表した。

新たな感染者はニューヨーク市郊外在住でマンハッタンで勤務する50歳の男性で、新型ウイルスが流行している国への渡航歴はない。デブラジオ・ニューヨーク市長によると、男性は病院に収容され、重体。呼吸器疾患の持病があるという。

この男性の子どもが通うニューヨーク市ブロンクス区の学校は休校となった。

クオモ知事はMSNBCテレビとのインタビューで、同州での感染者が今後増加する見通しとしつつも、「制御可能な状況」と述べた。

800万人超の人口を抱えるニューヨーク市の公共交通機関の当局は、駅構内や電車・バスの車内の「消毒を強化」していることを明らかにした。

*内容を追加しました。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・一斉休校でわかった日本人のレベルの低さ
・中国人全面入国規制が決断できない安倍政権の「国家統治能力」
・新型コロナウイルス、感染ショックの後に日本を襲う4つの最悪シナリオ


20200310issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年3月10日号(3月3日発売)は「緊急特集:新型肺炎 何を恐れるべきか」特集。中国の教訓と感染症の歴史から学ぶこと――。ノーベル文学賞候補作家・閻連科による特別寄稿「この厄災を『記憶する人』であれ」も収録。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米英欧など18カ国、ハマスに人質解放要求 ハマスは

ビジネス

米GDP、第1四半期は+1.6%に鈍化 2年ぶり低

ビジネス

米新規失業保険申請5000件減の20.7万件 予想

ビジネス

ECB、インフレ抑制以外の目標設定を 仏大統領 責
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP非アイドル系の来日公演

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 6

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 7

    やっと本気を出した米英から追加支援でウクライナに…

  • 8

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 9

    自民が下野する政権交代は再現されるか

  • 10

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中