最新記事

クルーズ船

西オーストラリア州沖のクルーズ船2隻、州首相が入港認めず「直ちに去る必要がある」

2020年3月26日(木)16時33分

クルーズ船「ルビー・プリンセス」は前週、シドニーに入港し、乗客2700人の下船が認められたが、その後147人がウイルス検査で陽性となり、オーストラリア国内では誰が責任を取るかをめぐって問題になっている。ABC News (Australia) / YouTube

西オーストラリア州のマゴワン首相は26日、同州沖にいるクルーズ船2隻に対し、豪海域から「直ちに」離れるよう求めた。前週シドニーに入港したクルーズ船が、国内最大の新型コロナウイルス感染源となった事態の再発を防ぐ狙いだ。

カーニバルが運航するクルーズ船「ルビー・プリンセス」は前週、シドニーに入港し、乗客2700人の下船が認められたが、その後147人がウイルス検査で陽性となった。

国内の感染者は2550人を超え、死者は12人に増加した。

26日には、クルーズ船「MVアルタニア」の外国人乗客800人のうち7人がウイルス検査で陽性となり、さらに2人が体調不良を訴えた。

マゴワン氏はこの船について、「命にかかわる状況」でない限り、1人の下船も認めないと表明。「この船は直ちに去る必要がある。シドニー湾の失敗は繰り返さない」と述べた。

そのうえで、症状のある乗客を治療のため航空機で軍の基地などに搬送できるかどうか連邦当局と協議中だとした。

ドバイで入港を拒否され、現在西オーストラリア州の海域内にいる別のクルーズ船「MSCマグニフィカ」については、体調不良の乗客はおらず、欧州もしくは他の地域の港に向かうよう調整が進められているとした。

西オーストラリア州は、さらに別のクルーズ船「バスコ・ダ・ガマ」に乗船しているオーストラリア人800人の一部を、観光名所のロットネスト島に隔離する用意を進めている。英国やニュージーランドの乗客100人超は船内に隔離される。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・欧州当局「新型コロナウイルス、夏に終息の公算小 高温多湿でも活発」
・新型コロナウイルス感染症で「嗅覚がなくなる」という症例が多数確認される
・新型コロナ、急がれる医薬品開発──抗ウイルス薬やワクチンがなかなかできないのはなぜ?


クルーズ船「ルビー・プリンセス」は前週、シドニーに入港し、乗客2700人の下船が認められたが、その後147人がウイルス検査で陽性となり、オーストラリア国内では誰が責任を取るかをめぐって問題になっている。 ABC News (Australia) / YouTube




20200331issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年3月31日号(3月24日発売)は「0歳からの教育 みんなで子育て」特集。赤ちゃんの心と体を育てる祖父母の育児参加/日韓中「孫育て」比較/おすすめの絵本とおもちゃ......。「『コロナ経済危機』に備えよ」など新型コロナウイルス関連記事も多数掲載。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

OPEC事務局長「石油・ガス産業への投資拡大が必要

ワールド

中国、国家公務員の応募年齢上限を引き上げ 年齢差別

ビジネス

中国スマホ出荷、第3四半期は前年比-0.6%=ID

ビジネス

英財務相、増税と歳出削減を検討=スカイニュース
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道されない、被害の状況と実態
  • 2
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 3
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 4
    「心の知能指数(EQ)」とは何か...「EQが高い人」に…
  • 5
    「欧州最大の企業」がデンマークで生まれたワケ...奇…
  • 6
    イーロン・マスク、新構想「Macrohard」でマイクロソ…
  • 7
    【クイズ】アメリカで最も「死亡者」が多く、「給与…
  • 8
    「中国に待ち伏せされた!」レアアース規制にトラン…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「中国のビットコイン女王」が英国で有罪...押収され…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな飼い主との「イケイケなダンス」姿に涙と感動の声
  • 3
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 4
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 5
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 6
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 7
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 8
    ウクライナの英雄、ロシアの難敵──アゾフ旅団はなぜ…
  • 9
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 10
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中