最新記事

パンデミック

イタリア、新型コロナウイルス死者1000人突破 感染者1万5113人

2020年3月13日(金)08時09分

イタリア当局は、新型コロナウイルス感染による国内の死者が189人増加して1016人になったと発表した。トリノで撮影(2020年 ロイター/Massimo Pinca)

イタリア当局は12日、新型コロナウイルス感染による国内の死者が189人増加して1016人になったと発表した。政府による対策強化で経済活動は一段と停滞し、同国の株価指数は過去最大の下落率を記録した。

感染者は2651人増の累計1万5113人と、増加数は国内感染が初めて確認された2月21日以降で最多となった。

コンテ首相は前日、新型コロナ対策を強化すると発表。食料品店と薬局を除くすべての小売店舗とレストラン、バーなどの閉鎖を命じた。

12日は首都ローマにある900カ所以上のカトリック教会が閉鎖を命じられるという近代では前例がない措置がとられた。

ミラノ株式市場では株価指数FTSE・MIBが17%安でこの日の取引を終了、過去最大の下落率を更新した。

イタリア国内の感染急拡大を受け、多数の国がイタリアからの入国禁止を決定しており、航空便の相次ぐ欠航や一部の空港の閉鎖につながった。

政府の緊急命令の下、不要不急の移動は全て禁止されており、外出する場合はその理由を記入した書類を携帯する必要がある。

ルール違反が見つかれば、最長3カ月の禁錮刑と最大206ユーロ(231ドル)の罰金が科される。新型コロナの感染者が2週間の隔離義務に従わない場合は、1─12年の禁錮刑が科される。

これまでのところイタリア国民の間では移動制限への反発は少なく、ある世論調査によると、国民の8割強が政府の決定を支持している。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・一斉休校でわかった日本人のレベルの低さ
・ついにアメリカでも火がついた新型コロナ危機「数百万人が感染しかねない」と米高官
・スペイン、首都マドリードで新型コロナウイルス患者急増 保健当局「医療対応に限界」


20200317issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年3月17日号(3月10日発売)は「感染症 vs 人類」特集。ペスト、スペイン風邪、エボラ出血熱......。「見えない敵」との戦いの歴史に学ぶ新型コロナウイルスへの対処法。世界は、日本は、いま何をすべきか。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アラビカ種コーヒー豆、米関税で価格高騰=ブラジル業

ワールド

インド外相 対米貿易交渉に「譲れぬ一線」 米代表団

ワールド

チベット巨大ダム、乾季にインド主要河川の水流が最大

ワールド

HSBCスイス子会社、中東の富裕層顧客1000人超
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
2025年8月26日号(8/19発売)

中国の圧力とアメリカの「変心」に危機感。東アジア最大のリスクを考える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット民が「塩素かぶれ」じゃないと見抜いたワケ
  • 2
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密着させ...」 女性客が投稿した写真に批判殺到
  • 3
    なぜ筋トレは「自重トレーニング」一択なのか?...筋肉は「神経の従者」だった
  • 4
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」…
  • 5
    顔面が「異様な突起」に覆われたリス...「触手の生え…
  • 6
    【写真特集】「世界最大の湖」カスピ海が縮んでいく…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    アメリカの農地に「中国のソーラーパネルは要らない…
  • 9
    中国で「妊娠ロボット」発売か――妊娠期間も含め「自…
  • 10
    株価12倍の大勝利...「祖父の七光り」ではなかった、…
  • 1
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 2
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 3
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人」だった...母親によるビフォーアフター画像にSNS驚愕
  • 4
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
  • 5
    中国で「妊娠ロボット」発売か――妊娠期間も含め「自…
  • 6
    なぜ筋トレは「自重トレーニング」一択なのか?...筋…
  • 7
    20代で「統合失調症」と診断された女性...「自分は精…
  • 8
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 9
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 10
    「このクマ、絶対爆笑してる」水槽の前に立つ女の子…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 7
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 10
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中