最新記事

環境問題

海面上昇のリスク人口は従来推定の3倍 米NPO、AIでデータ修正した新研究

2019年10月30日(水)18時05分

米国の非営利団体クライメト・セントラルは、2050年までに気候変動による沿岸冠水でリスクにさらされる人の数はこれまでに考えられていた規模の3倍以上に達するとみられ、アジア周辺や北米と欧州の複数の都市が海面上昇の影響を受ける可能性がある、との研究結果を発表した。写真は豪雨で冠水したバングラディシュのダッカで2017年7月撮影(2019年 ロイター/Mohammad Ponir Hossain)

米国の非営利団体クライメト・セントラルは29日、2050年までに気候変動による沿岸冠水でリスクにさらされる人の数はこれまでに考えられていた規模の3倍以上に達するとみられ、アジア周辺や北米と欧州の複数の都市が海面上昇の影響を受ける可能性がある、との研究結果を発表した。

同研究は、各国政府が温暖化ガス排出を大幅に抑制できたとしても、水害への予防措置が十分に施されなければ、3億人の人々が住む地域が今世紀半ばまでに少なくとも年に1回は洪水に見舞われるリスクがあると指摘した。

これまでの推定では、そうした被災人口の予想規模は8000万人前後とされていた。リスクにさらされている人口の大半は、中国、バングラデシュ、インド、ベトナムの住民という。

これまでのデータでは、人の住む沿岸地帯の多くがより高い位置にあると算出し、したがって実際より安全であると示唆していた。今回の研究では、人工知能(AI)を駆使してこの算出におけるシステムエラーを修正したという。

同社の代表であるベンジャミン・ストラウス氏は「いまわれわれは、海面上昇と沿岸冠水の脅威がこれまでに考えられていたよりはるかに大きいことを認識した」と述べた。

[ロンドン 29日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20191105issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

10月29日発売号は「山本太郎現象」特集。ポピュリズムの具現者か民主主義の救世主か。森達也(作家、映画監督)が執筆、独占インタビューも加え、日本政界を席巻する異端児の真相に迫ります。新連載も続々スタート!


今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

トランプ氏、グリーンランド取得で武力行使を否定 ダ

ワールド

中国との包括的貿易協定の行方不透明─米USTR代表

ワールド

21日開催予定のG7財務相会合、来週に延期=フラン

ワールド

ECB総裁、米商務長官の欧州批判演説を途中退席 ダ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:「外国人問題」徹底研究
特集:「外国人問題」徹底研究
2026年1月27日号(1/20発売)

日本の「外国人問題」は事実か錯誤か? 7つの争点を国際比較で大激論

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」の写真がSNSで話題に、見分け方「ABCDEルール」とは?
  • 2
    韓国が「モンスター」ミサイルを実戦配備 北朝鮮の核開発にらみ軍事戦略を強化
  • 3
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の船が明かす、古代の人々の「超技術」
  • 4
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 5
    飛行機よりラク? ソウル〜釜山「110分」へ――韓国が…
  • 6
    【総選挙予測:自民は圧勝せず】立憲・公明連合は投…
  • 7
    「怖すぎる...」モルディブで凶暴な魚の群れに「襲撃…
  • 8
    宇宙人の存在「開示」がもたらす金融黙示録──英中銀…
  • 9
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試…
  • 10
    トランプが宇宙人の実在を公表するのは「時間の問題…
  • 1
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由
  • 2
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の船が明かす、古代の人々の「超技術」
  • 3
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試掘の重要性 日本発の希少資源採取技術は他にも
  • 4
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 5
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 6
    正気を失った?──トランプ、エプスタイン疑惑につい…
  • 7
    世界最大の埋蔵量でも「儲からない」? 米石油大手が…
  • 8
    中国のインフラ建設にインドが反発、ヒマラヤ奥地で…
  • 9
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 10
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中