最新記事

軍事

北朝鮮新型ミサイル対応へ実弾発射でイージス・アショア試験 追加費用は550億円か

2019年9月27日(金)16時25分

写真はルーマニアのデベセル空軍基地に配備された「イージス・アショア」のデッキハウス。2016年5月撮影(2017年 ロイター/Inquam Photos/Adel Al-Haddad)

数の政府・防衛筋によると、日本政府は陸上配備型イージス・システム(イージス・アショア)の対応能力を検証するため、実弾発射実験が必要になっており、少なくとも5億ドル(約550億円)の追加投資を迫られる可能性がある。

同筋は、「日本政府がどのような実験が必要かについて、米ミサイル防衛局からの回答を待っている」とするとともに、「これらの実験はまだ予算化されていない」と話している。

イージス・アショアのレーダーを開発したロッキード・マーチンによると、このテストはシステムが正常に動作していることを証明するために必要。日本国内での実施は難しいため、実弾発射実験はハワイの米海軍基地で行われる見通しで、その場合は1回の発射で約1億ドルの費用がかかるとみられる。

日本は2018年に米国からイージス・アショアを購入することで合意。ロッキードが設計したレーダーを採用し、競合するレイセオン が提供した米海軍の新しいレーダーは導入しなかった。ある防衛関係者は、「日本政府は実弾発射実験ではなく、コンピューターを使った模擬テストで十分と考えていた」と指摘している。

また、同筋によると、当時の小野寺五典防衛相は、日本がロッキードのレーダーをテストするために実弾発射実験が必要になるとの考えはなかったという。

岩屋毅・前防衛相は先月、北朝鮮が発射した短距離ミサイルについて、イージス・アショアを含む弾道ミサイル防衛網を突破するように設計された不規則な軌道を持つ新型ミサイルのようだと述べた。

防衛省は、今のところコメントはないとしている。

[東京 27日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます




20191001issue_cover200.jpg
※10月1日号(9月25日発売)は、「2020 サバイバル日本戦略」特集。トランプ、プーチン、習近平、文在寅、金正恩......。世界は悪意と謀略だらけ。「カモネギ」日本が、仁義なき国際社会を生き抜くために知っておくべき7つのトリセツを提案する国際情勢特集です。河東哲夫(外交アナリスト)、シーラ・スミス(米外交問題評議会・日本研究員)、阿南友亮(東北大学法学研究科教授)、宮家邦彦(キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)らが寄稿。



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、中東に空母追加派遣検討 協議不調なら「

ワールド

イラン高官、米と交渉再開へ協議 仲介役オマーンを訪

ビジネス

米ダラス連銀総裁「現政策は適切」、物価目標達成に慎

ビジネス

米家計債務、第4四半期は前期比1%増 学生・住宅ロ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 2
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...周囲を気にしない「迷惑行為」が撮影される
  • 3
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トランプには追い風
  • 4
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を…
  • 5
    崖が住居の目の前まで迫り、住宅が傾く...シチリア島…
  • 6
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 7
    変わる「JBIC」...2つの「欧州ファンド」で、日本の…
  • 8
    衆院選で吹き荒れた「サナエ旋風」を海外有識者たち…
  • 9
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 10
    台湾侵攻を控えるにもかかわらず軍幹部を粛清...世界…
  • 1
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 5
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 6
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 7
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 8
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 4
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 7
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 8
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 9
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 10
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中