最新記事

日韓関係

関係をこじらせる日韓両国がいま認識すべきこと

OVERLOOKED FACTORS

2019年1月31日(木)17時15分
クォン・ヨンソク(一橋大学准教授)

そもそも65年の日韓基本条約と請求権協定は、日本の謝罪や反省の言葉が示されておらず、「和解」には程遠い内容だった。最も重要な韓国併合の法的評価についても日本では合法、韓国では不法という二重基準で曖昧にした。

韓国併合は合法で、65年に請求権は「全て解決済み」と合意したとの理解が日本に根強くあることを、今回初めて認識した韓国人もいる。軍事政権下の韓国は国民の反対を戒厳令で抑える形で強引に条約を締結したが、その後に民主化とともに女性や労働者の人権意識が高まった以上、「65体制」は限界に来ていると言わざるを得ない。

今の「日韓葛藤」は、今後も永く続く日韓関係のために、互いの存在の意義を再定義するとともに、65年体制を「補完」する真摯な議論の必要性を提起しているといえよう。

(筆者はソウル生まれ。子供の頃から父親の仕事の都合で日韓を行き来した。専門は東アジア国際関係史)

<本誌2019年01月29日号「特集:世界はこう見る日韓不信」より転載>

※2019年1月29日号(1月22日発売)は「世界はこう見る:日韓不信」特集。徴用工、慰安婦、旭日旗、レーダー照射......。「互いを利してこそ日韓の国力は強まる」という元CIA諜報員の提言から、両国をよく知る在日韓国人の政治学者による分析、韓国人専門家がインタビューで語った問題解決の糸口、対立悪化に対する中国の本音まで、果てしなく争う日韓関係への「処方箋」を探る。

ニューズウィーク日本版 日本人が知らない AI金融の最前線
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年3月3号(2月25日発売)は「日本人が知らない AI金融の最前線」特集。フィンテックの進化と普及で、金融はもっと高速に、もっとカジュアルに[PLUS]広がるAIエージェント

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

英、イランから職員一時退避 安保懸念で

ビジネス

米PPI、1月は前月比0.5%上昇 伸びは予想上回

ビジネス

ニデック、不正会計疑惑巡る第三者委の調査報告書受領

ワールド

パキスタンとアフガニスタンの衝突再燃、周辺国や中ロ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
2026年3月 3日号(2/25発売)

フィンテックの進化と普及で、金融はもっと高速に、もっとカジュアルに

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力空母保有国へ
  • 2
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 3
    中国で今まで発見されたことがないような恐竜の化石が発見される...ほかの恐竜にない「特徴」とは
  • 4
    ウクライナが国産ミサイル「フラミンゴ」でロシア軍…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    がん治療の限界を突破する「細菌兵器」は、がんを「…
  • 7
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 8
    住宅の4~5割が空き家になる地域も......今後30年で…
  • 9
    トランプがイランを攻撃する日
  • 10
    習近平による軍部粛清は「自傷行為」...最高幹部解任…
  • 1
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 2
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体には濾過・吸収する力が備わっている
  • 3
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの謎判定に「怒りの鉄拳」、木俣椋真の1980には「ぼやき」も
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 6
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 7
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官…
  • 8
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 9
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 10
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 5
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 6
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中