最新記事

日本

日本が戦後初の「空母」所有へ──中国を警戒

China vs. Japan: Tokyo to Get New Aircraft Carrier

2018年11月30日(金)14時52分
デービッド・ブレナン

海上自衛隊の「ヘリ空母」として運用されている護衛艦「いずも」 Kim Kyung-Hoon-REUTERS

<日本の海上自衛隊が、これまで専守防衛の観点からあえて持たなかった空母を持つ日が近づいている>

日本政府は、海軍力の増強に励む中国を警戒し、第二次大戦後初めて自前の「空母」をもとうとしている。

12月に策定される「防衛計画の大綱」には、日本の自衛隊が少なくとも空母1隻を所有する計画が盛り込まれる。

戦後の日本国憲法は、日本が再び侵略戦争を繰り返すことがないよう、「専守防衛」を基本方針としている。

そのため、攻撃型の兵器とされる空母の所有はこれまで検討されなかった。自国から遠く離れた場所まで出向いて攻撃を展開することもできるのが空母だからだ。

ステルス戦闘機も追加で100機

日本政府は、海上自衛隊のヘリコプター搭載型護衛艦(ヘリ空母)で全長248メートルの「いずも」型護衛艦2隻のうち1隻を改修して、ジェット戦闘機が発着できる空母として使用することを検討している。

岩屋毅防衛相は27日の記者会見で、いずも型護衛艦について「せっかくある装備なので、できるだけ多用途に使っていくことが望ましい」と語った。

空母計画とほぼ同時に、日本は米ロッキード・マーティンの最新鋭ステルス戦闘機「F35」100機を新たに88億ドルで購入する方針と報じられたばかり。この100機には、空母で運用可能なタイプも含まれている。

9月の日米首脳会談で安倍は、トランプ米大統領に対して「(日本の)厳しい安全保障環境に対応するため、今後とも米国装備品を含め高性能な装備品を導入することがわが国の防衛力強化にとって重要だ」と語っている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

金総書記、プーチン氏に新年メッセージ 朝ロ同盟を称

ワールド

タイとカンボジアが停戦で合意、72時間 紛争再燃に

ワールド

アングル:求人詐欺で戦場へ、ロシアの戦争に駆り出さ

ワールド

ロシアがキーウを大規模攻撃=ウクライナ当局
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 3
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌や電池の検査、石油探索、セキュリティゲートなど応用範囲は広大
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 6
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 7
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 8
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 9
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 10
    【クイズ】世界で最も1人当たりの「ワイン消費量」が…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中