最新記事

貿易戦争

G7サミットは「アメリカ抜き」で?

2018年6月8日(金)13時10分
ジェイソン・レモン

日本には、これまでのところアメリカの追加関税は直接影響を及ぼしていないが、日本はアメリカと北朝鮮との非核化協議に関してまた別の不安材料を抱えている。安倍晋三首相は、トランプが金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長との会談を進めるうえで、日本の安全保障上の懸念事項を協議の前面、中核に据えるように要望している。

今回のアメリカの追加関税は、これまで伝統的に同盟関係にあった国々からの離反を示唆する行動だ。

昨年6月、トランプは地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」からの離脱を表明した。大統領選期間中に有権者に誓った公約を実現したことになる。しかしこれに対して、ヨーロッパ各国やカナダの指導者からは批判が出ている。昨年11月にシリアが「パリ協定」に加盟した現在、アメリカは世界で唯一この枠組みに合意していない国だ。

また、この5月にトランプは、2015年に締結した「イラン核合意」から離脱し、イランへの制裁を再開すると発表した。ヨーロッパの指導者は、今後も核合意を継続する意思を示し、トランプの一方的な行動への失望感を表明している。

トランプとの緊張関係にあってもマクロンは強硬な構えを崩さない、フランスをはじめ他のG7参加国ともども、同盟関係を軽視するアメリカをおそれない姿勢を見せている。

「これら6カ国は、(各国の)価値観を代表し、経済市場を代表し、そして何よりも国際社会における現実的な影響力を代表している」とマクロンは述べている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米バークシャーによる株買い増し、「戦略に信任得てい

ビジネス

スイス銀行資本規制、国内銀に不利とは言えずとバーゼ

ワールド

トランプ氏、公共放送・ラジオ資金削減へ大統領令 偏

ワールド

インド製造業PMI、4月改定値は10カ月ぶり高水準
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 5
    ウクライナ戦争は終わらない──ロシアを動かす「100年…
  • 6
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 7
    目を「飛ばす特技」でギネス世界記録に...ウルグアイ…
  • 8
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 9
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 8
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中