最新記事

欧州

オーストリア総選挙、難民受け入れ厳格化の国民党が第1党へ

2017年10月16日(月)12時12分

10月15日、オーストリア国民議会(下院)選挙の投票が行われた。難民・移民の受け入れ厳格化を訴える中道右派の国民党の第1党躍進がほぼ確実となった。ただ、過半数には足らず、極右・自由党と連立を組む可能性が高いとみられる。次期首相には、国民党を率いるクルツ外相(写真)が就任する見通しとなった(2017年 ロイター/Dominic Ebenbichler)

オーストリア国民議会(下院)選挙の投票が15日、行われた。難民・移民の受け入れ厳格化を訴える中道右派の国民党の第1党躍進がほぼ確実となった。ただ、過半数には足らず、議席を大きく増やした極右・自由党と連立を組む可能性が高いとみられる。

次期首相には、国民党を率いるクルツ外相が就任する見通しとなった。

中東などから難民が欧州に押し寄せるなか、難民受け入れに否定的な国民党と自由党が2013年に行われた前回選挙から議席を大きく伸ばした。

クルツ氏は歓声を上げる支持者を前に「不可能を可能にした。あなた方のコミットとこの歴史的な成功に感謝する」と述べた。

ケルン首相の下、オーストリア経済は6年ぶり高成長を達成する勢いで、失業率も低下している。ただ、有権者の支持は、クルツ氏が訴える反移民・難民政策に集まった。

調査会社SORA予測によると、国民党の得票率は31.6%。ケルン氏の社会民主党は26.9%、自由党は26.0%。

クルツ氏は、16日に集計される郵便投票の結果を待つとし、連立相手には言及しなかった。

[ウィーン 15日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

テスラ取締役会、マスクCEOの新たな報酬案を特別委

ワールド

米、「対テロ非協力国」にキューバ指定 前政権の決定

ワールド

USMCA見直し、前倒しなら貿易政策クリアに=メキ

ワールド

中国主催のイベントに台湾と外交関係持つ2カ国が参加
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:2029年 火星の旅
特集:2029年 火星の旅
2025年5月20日号(5/13発売)

トランプが「2029年の火星に到着」を宣言。アメリカが「赤い惑星」に自給自足型の都市を築く日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    ゴルフ場の近隣住民に「パーキンソン病」多発...原因は農薬と地下水か?【最新研究】
  • 3
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」にネット騒然
  • 4
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映…
  • 5
    あなたの下駄箱にも? 「高額転売」されている「一見…
  • 6
    トランプ「薬価引き下げ」大統領令でも、なぜか製薬…
  • 7
    「がっかり」「私なら別れる」...マラソン大会で恋人…
  • 8
    「奇妙すぎる」「何のため?」ミステリーサークルに…
  • 9
    トランプは勝ったつもりでいるが...米ウ鉱物資源協定…
  • 10
    「出直し」韓国大統領選で、与党の候補者選びが大分…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 4
    ゴルフ場の近隣住民に「パーキンソン病」多発...原因…
  • 5
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 6
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映…
  • 7
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」に…
  • 8
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王…
  • 9
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦…
  • 10
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 6
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 8
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中